「冷たい白 温かいシロ」

いつもより肌寒い日の夕方、雨は雪へと変わった。
こんなに早い時期に雪が降るなんて信じられなかった。
明雄さんも、「霜も降りてないのに雪が降るのは初めてだ」と言っていた。
そのまま雪は少しずつ積もり、翌朝畑一面が宝石のようにキラキラと輝いていた。久々に見る雪。やはりいつみても綺麗だ。

今年は、11月に入っても昼間が20℃を越える日もあって雪どころか霜もおりないのではないかと心配していた。これも地球温暖化の影響なのだろうか、などとスケールの大きなことも考えていたくらいだ。
そんな矢先、村に舞い降りた雪。決して寒さが得意な私ではないけれど、今年も無事に寒い冬がやってきそうだなと少し安心した。
 それにしても雪が積もった朝はやっぱり寒い。今年は暖かさに慣れていたせいか余計寒く感じる。その気持ちは私だけではなかった。小屋の中のヤギたちはひっそりとしていて、おまけにひとりも家はから出ようとしない。




その一方で賑やかなのが、ヒツジの姉妹。
寒さに全く動じず「早く外に出たい」と言わんばかりの大きな鳴き声で大合唱。たしかに姉妹にとっては初めて見る村の雪。
しかも寒いほうが好みのようで、喜んでいるようにも見えた。
さらにこの姉妹、ここ数週間でまた大きくなった気がする。寒くなればなるほど、大きくなるこの2人。

ヒツジ姉妹の間に入って2人に抱きつくのが、最近の私の楽しみの1つ。
フワフワして温かくて、毛布に包まれている感じで本当に気持ちがいい。
 今年の冬は、ヒツジ小屋にいりびたりになりそうだ。

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