「冬支度に思う 生きる意味」 |
日々あぜ道に積もる落ち葉。 里山の木々から舞いおちた落ち葉は、木枯らしに吹かれ舞い上がるそれへと徐々に移り変わり、一歩ずつではあるが冬に近づいている。 |
そんな冬に向けて、村の各所でも冬支度は始まっている。 役場裏のミツバチの巣箱では花粉があるうちに、と毎日働き蜂が花粉を運んでいる。 砂糖水の給餌を兼ねてそんな様子を見に行ったとき、近くで「ブーン」という重低音が聞こえた。後ろを振り返ると「キイロスズメバチ」がミツバチの巣箱の周りを飛んでいた。心配ではあったが数日後、目にしたのは今までに見たことのない光景をだった。 それはミツバチ達がスズメバチを集団で囲み、体熱で殺す 「ミツバチの熱殺」。 一歩間違えれば自分たちも命を落とす恐れもある捨て身の行動。 私は初めて見る光景に驚くと共に、ミツバチたちの心の強さに感動した。 |
落葉する木々、生命の危機を感じながらもスズメバチと戦うミツバチ、罠の危険性がある中でも餌を探す「サル」。冬支度を進める動植物を見て、改めて「生きる」という意味の重さを感じた。 「生きる」ためには多少の危険はつきもの。そんな中、堂々と生きる里山の動植物。 私も、そんな強い人間になりたい。 |