「新村人 初仕事」

DASH村に新たな生命が誕生した。
名は「ふぶき」。
村人としてのDASH村生活がスタートして早々、僕はその誕生に立ち会う事が出来た。
しかし実際にその光景を目の前にすると、自分は何をしてあげたらいいのか、そもそも何が出来るのか分からなかった。小さい頃に、動物を飼った事はあるけれど、その出産に立ち会った事はないし、ヤギという大きな動物の出産にさらに混乱してしまった。
しかも、産まれたばかりのふぶきは寒さに震え、呼吸も弱く、なかなか立てずにいた。首も力なくうなだれていた。

その中で、僕はとにかく冷たい風から守り、少しでも暖かくしてやる事しか出来なかった。体を舐める母・リンダに、ふぶきは必死に応えようと大声で鳴いた。そして何度倒れても立ち上がり、力なくもフラフラと前に進もうとする。
ふぶきが目指すのはリンダの母乳。ふぶきは一生懸命生きようとしていた。




時間はかかったが、ふぶきはなんとか自分の力でリンダのもとにたどり着き、母乳を飲む事が出来た。リンダはふぶきがちゃんと吸えているか確認するように首を傾け、心配そうに見つめていた。リンダの母乳を口にしたふぶきはやがてみるみる元気になった。しかし僕の緊張は解けない。やがてこの母娘を一緒に見守ってくれた明雄さんが「もう大丈夫」と言った。ぼくはその言葉でようやくホッとすることが出来た。

寒い冬の吹雪が舞う時季に生まれたふぶき。初めこそ弱々しかったが、今では寒さをものともせずに、走り回っている。
体の大きさはもちろん、毎日の小さな変化の中に「ふぶき」の成長を感じさせられる。

ふぶきと同じタイミングで、僕も村人として新たな生活がスタートする。
順調に成長するふぶきに負けないよう、僕も村人として前に進んで行きたいと思います。


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