「夏のウールに クールな 効能」

夏だから暑いのは当たり前だ。
しかし、こうも暑すぎる日が続くとさすがに参ってくる・・・。
ふと視線を牧草地に向けてみると、さらに暑そうな2匹がいる。この直射日光の下、草を食んでいるヒツジ姉妹だ。5月に毛刈りをしたのだが、すでに大分伸びていた。

彼女らを見ていると「暑くないのだろうか?」という疑問が一番に浮かぶ。さらに、日陰で休む回数は多くなり、休んでいるときは息を切らしているのでいつも昼ごろには小屋に戻していた。人間に置き換えて考えてみると、炎天下であの分厚いウールのセーターを着ていることになるんだろうから、きっと暑いんだろうと連想してしまう。だが、意外にも平気そうな顔をして、草を食んでいる事も多い。何故なのか不思議だったので調べてみると、僕の想像とは全く逆だった。




どうもあの毛によって温度が上がるのではなく逆に断熱効果があり、体の表面温度は体温とそこまで変わらずに維持してくれるそうなのだ。毛を全て刈ってしまったら体の表面温度は85℃以上になり、ヒツジに大きく負担を掛けてしまう。
意外で驚いたが、納得してしまった。ちなみに、冬は冬でいくら寒くても体温は33℃以下にはならないそうだ。
暑くないんだなあっと感心しながら、さらにヒツジ姉妹を観察しているとスズメバチに似た大きなアブにたかられていた。刺されたらきっと痛そうだし、かなり痒くなりそうなアブなのだが、やはり2匹は平気な顔。よく見ると、毛があるのでアブが皮膚に到達出来ずにいた。しつこくたかり、何度も毛のすき間に頭をネジ入れようと試みているが、結局は諦めどこかに飛んでいっていた。改めてよく出来ているなと感心してしまった。

その点、ヤギ一家も同じようにアブにたかられることがよくあり、その度に必死に振り払っていた。この季節、彼らにとってアブは強敵なようだ。
しかし、このアブは厄介な事に人間をも攻撃する。ヒツジ姉妹が近寄って来るとアブもついて来て僕にたかる。せっかく遊びに近寄って来てくれるのだが、毎回逃げるハメになるのだ・・・。

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