「雨降る村の 過ごし方」

最近、降り続いた秋の長雨。
こう何日も雨が降り続くとさすがにうんざりして嫌になる人は多いと思うけど、僕自身は雨の日は嫌いでもなかったりする。
小さい頃、日曜日の朝に雨の音で目を覚ますのが結構好きだった。そんな日は、外で活動出来ないからゆっくりしようかなという気になって、そのまま二度寝したりしていた。なんとも、ぐうたらな考えだけど、ストレスのないゆっくりした休日が過ごせそうで、心穏やかになった。

こういう考えはぐうたらな僕だけかと思っていたが、村の動物たちも雨の日の様子は少し違った。
晴れた日はたいてい日が昇ると同時に早く外に出せと、大声で鳴いたり、そわそわしたりするけれど、雨が降っているとそれがぴたりと止む。ヒツジ、ヤギ、そしてアイガモたちの声が入り交じる事なく、辺りは雨の音だけが響く。




あまりに静かなので小屋の中の様子を見てみると、ヤギ一家はみな静かに座り込み落ち着いている。小屋の中をいつも歩き回っているヒツジ姉妹も揃って座り込み、雨が降り続く外を見つめ口だけをむしゃむしゃと動かしている。
アイガモは小屋に入りじっとして、北登も随分と大人しく小屋の中で丸まって眠っていたりする。
僕だけではなく、動物たちもゆっくりと心穏やかにしている様に見えた。

そして、雨がやむと徐々に晴れ、雲の隙間から「天使のはしご」が現れたり、稲穂の水滴に光が反射して黄金色にキラキラしたり、空気も澄んで清々しい。
だから、雨の日が嫌いじゃなかったりするのだ。

前の週 次の週