「夏から秋へ 秋から冬へ」

10月も半ば、里山の木々たちの紅葉が始まった。
落葉を始めた木もある。例えばトチノキ。トチノキはトチ餅などで有名な木で、冬芽を粘着性のある液体状のもので覆い、冬を凌ぐ木。この木の葉はすでに茶色に変化していて、大きな葉の元から落葉していた。
今年の歴史的な猛暑の影響か、まだまだ温かい日は多いが、僕の周りでは着実に寒さ厳しい冬に備え準備を始めているようだった。

日が沈むのもずっと早くなった。冬至までにさらに1時間は短くなるが、現時点でも夏より2時間は早く夜が来ていた。昼を過ぎると、すぐに日が傾いて夜が来る気がして、一日が本当に早く感じる。




そして、最近は日が沈むとともに気温も下がり、吐く息も、白く暗闇に浮かぶ日もある。
大抵、日中の温かさに適した服装をしているので外に出た瞬間、無意識にポケットに両手を突っ込み、肩をすくめてしまう。
冬の場合、分厚い手袋と上着を着て帽子を深く被り、外に出るまでに心構えを済ませるが、こうも日中が温かいと心構えもなしに外に出てはおもいっきりくしゃみをする。

徐々に冷え込んで来たこの時期、まだまだ準備不足で順応しきれていないが、この肌寒さは身をキリリと引き締める気がして、「寒いな」とか言いながらも、ちょっと余計に外を歩いてみるのも嫌いじゃなかったりする。
しかし、これからは寒さが厳しくなる一方なので、そろそろ冬への心構えを始めなきゃ。

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