「DASH村のメリークリスマス」

僕は村で初めてクリスマスを迎える。
ただし村では25日を待ちきれず、少し早めにクリスマスを祝うことになった。村でのクリスマス、サンタも七面鳥も出てこないが特別なクリスマスになった。

昔はクリスマスという風習がなく今まであまり祝った事がないという明雄さんもすごく楽しそうだった。食卓にはパスタ料理の数々に蜜蝋で作ったロウソクが食卓を灯し、土台からつくったクリスマスツリーにフェルトの飾り付けまで、全てが手作りの村のクリスマス。何だかすごく温かい気持ちになった。




この時、ある光景を思い出した。
アメリカではクリスマスの時期になると基本的にどの家庭でも派手に家を飾り付けてライトアップする。留学中のある日、住宅街を歩いていたらクリスマスの飾り付けをしている家庭の光景が目に入った。旦那さんが脚立に昇り、屋根下にライトのセッティングをして、その下では奥さんが寄り添い旦那さんのお手伝をしていた。そして、その傍らにはまだ小さい兄弟が犬と戯れて遊んでいた。この家族の光景を見て、12月の寒い日だったのにすごく温かい気持ちになった。
村でのクリスマスパーティーはまさにその時に近く、あの心が温かくなる気持ちを思い出した。

日本では、クリスマスと言えば恋人同士で過ごすのが当たり前のようになっていると思うけど、こういう風にみんなで集まって協力し合い、手作りのクリスマスパーティーをするのも、やっぱりいいなと心から思えた。

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