「人生彩る 千葉・房総の花栽培」 |
村でも、花を植えた事はあまりなかった。けれど、品種にもよるが、花はコンパニオンプランツとして植えれば、病害虫などの対策になるし、そのまま土壌にすき込めば、作物の栄養になったり、土壌改良にも貢献するという優れものなのだ。花が美味しい野菜も産むことになる。もっと早く知っていれば、村でも試せたかもしれない。 商品としての花栽培の場合、花自体だけでなく茎や葉も全体を綺麗に保つよう細心な注意が必要になる。花は全体が綺麗でなくてはダメなのだ。 例えば、カラーは苞の部分が純白でないとダメな上、茎の長さや見た目の良さも重要になる。実際に収穫してみると、水田なので足をとられてすぐに転びそうになるし、中腰なので腰も痛くなる。思った以上に重労働だった。これを農家の鳥井さんは多い時で500本を一人で収穫しているというから驚いた。 |
ミディー胡蝶蘭を栽培する椎名さんは、高級な花という印象が強い胡蝶蘭を気軽に楽しんで欲しいとコンパクトな胡蝶蘭を開発したそうだ。日常生活の中で一輪でも花を置いてみると、雰囲気はガラリと変わり、一気に和やかになるし、その場の空気も柔らかくなる。そうすれば、気分も良くなると話していたのを聞いて、興味のなかった僕の考えは、一気に「花は凄い」とか「花はいい」という思いに変化した。今まではただ単に花の魅力に気が付いてなかっただけだった。 こう思うようになると、人に花を贈りたくなるし、もらって嬉しいとも思える。別に、記念日でなくても、花を買う習慣を持てれば、もっと人生が華やかになるんじゃないかと思えるようにもなった。これからは、ぶらりと花屋さんに寄る機会も一気に増えるかもしれないな。 |