「山形県で知るサクランボの魅力」

サクランボの名産地・山形県の東根市。ハウスを開いた瞬間、びっしりとピンク色のサクランボがなった木が並んでいる光景に、思わず「うわ〜」と口走っていた。
DASH村にもサクランボの木はあったけれど、僕は入った頃には大分元気をなくし、実がなっている所を見た事もなく、栽培が難しい果樹の一つという印象が強かった。そもそも果樹自体、栽培は難しい。その上、美味しいと知っているので色々な虫がやって来たり、少し目を離すと鳥に食べ尽くされたりもする。だから、よく近隣に住んでいた果樹農家の飛田さんに助けを求め、試行錯誤を繰り返しながら栽培を続けて来た。

それなのに、山形では一枝に数えきれない程のサクランボがなっており、その光景はやっぱり圧巻だった。
しかし、農家の方も甘い魅惑のサクランボを栽培するために様々な工夫を重ねていた。サクランボは、他の木と交配しないと実が成らないという特性があるため、隣同士で異品種を栽培していたり、バケツを吊るして、そこに枝を入れ交配させたりしていた。受粉の作業にはマメコバチを使い、不十分な場合はダチョウの毛ばたきを使っていた。ダチョウの羽ばたきは、タクシーとか高級車をふくものというイメージだったので、それで植物にパタパタと優しくはたいているのは、意外で面白かった。




そして、さらに驚いた事が、サクランボの木を綺麗に仕立てているという事。ぶどうなど棚で栽培していた果樹などは、仕立てている様子を今までもDASH村で見て来たので知ってはいたが、サクランボでは考えもしてなかったので、本当に驚いた。この方法だと日当りも平等だし、収穫もしやすいとの事だった。本当に、勉強になる。

肝心のサクランボの味は程好い甘味でいくつも食べられちゃうくらいで、想像通り大変美味しいものだった。高級果物の佐藤錦という事で、自分の中のでかなりハードルが上がっていたのだけれど、それを超えるうまさだった。現地に赴いて、自分で樹から採ったものをその場でいただくなんて、こんな贅沢はないと思う。
今回は山形を訪れ、サクランボの生産量が7割を占めるその理由を実感した。箱に一粒ずつ綺麗に並ぶサクランボ。何だか、まさに宝石のようにピカピカしていた。

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