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起きられない中学生の謎!

2021.04.20 公開

主に10代の特に女性が、「怠けている、サボっている」などと誤解され苦しんでいる病が存在する。

それはいつも通りの朝。
中学1年生の少女は、なかなか起きられなかった。

翌朝も…その翌朝も、母親が起きるように促しても起きてこない。
朝起きられない少女の家族は…学校でいじめられているのではないかと心配した。

なぜなら、ようやく起きたと思ったら「おなかが痛い!」とトイレから出てこない。
ようやく学校に行くと思いきや、やっぱりおなかが痛い。
こうして遅刻や欠席が増えた。

何度か病院に連れて行ったが、風邪や胃腸炎と診断され調整剤を処方されるばかり。
体が悪くないのなら心の問題か?両親はそう思った。
だが、彼女は学校に行きたくなくて仮病を使っているわけではなかった。

何とか学校へ行くものの、帰宅するなりソファにゴロリ。
さらに吐き気や食欲不振を訴えるようになった。
風呂あがりには髪の毛も乾かさず放心状態。

CTや血液検査をしたが、やはり異常は見つからなかった。

そして、症状が出始めて7か月が経った頃。
激しい腹痛と足のしびれ。明らかな異常が起き、すぐに大学病院へ!

医師は寝ている状態で血圧を測定したあと、今度は立たせて測定。
そして、ようやく不調の原因が分かった。それは「起立性調節障害」というものだった。

人間は、立った状態では重力により血液が下半身に溜まっていく。
通常はそれを防ぐため、心臓や血管などにあるセンサーが働き、下半身の血管を締めて血液を押し上げ、一時的に心臓を早く動かし、全身に血液を送る。

しかし、そのセンサーに何らかの異常があると、血管や心臓のコントロールがうまくいかず、脳に血液が行きにくくなり、立ちくらみやけん怠感などを引き起こすのだ。

原因は、急激な体の発育のために自律神経の動きがアンバランスになるからと考えられている。

つまり、思春期に起きる自律神経の機能不全。
なんと軽症も含めると中学生の10人に1人が、この病にかかっているという。
彼女は起きたくても起き上がれず、どうにもならない辛い状況だったのだ。

「起立性調節障害」が起きやすい要素とは

そして発症のリスクを高める要素としてこんなこともある。
それは水分不足や睡眠不足。

自律神経というと、精神的なものが大きく作用していると思いがちだが、悩みを抱えていない、活発な子どもも夜遊びをして睡眠不足で発症することがある!

さらに医師によると、健康な人でもベッドの上で横たわるなどでゴロゴロしていると、この病を発症する恐れがあるというのだ。

この病には特効薬も確固たる治療法もない。
彼女は、目が覚めてもすぐには起き上がらず、ベッドの上でゴロゴロ。

急に動くと、血液の流れがついて来られないため細かい動きで慣れさせた!
ベッドから起き上がるときも、頭を一気に上げないように。
着替えも座ったままで行った。

一方、少女の対処法は血圧をあげる薬を服用し、たっぷりの水分と塩分をとった。
これで血液の量を増やし、体に巡らせることができる。

風呂あがりは、水圧からの解放と血管の拡張状態が重なり、一気に低血圧、貧血となる。
失神してしまうリスクもある…なので風呂に入る前には梅干しを食べた。
さらに、着圧ストッキングをはいて下半身に血液が溜まるのを防いだ。

最近では、岡山県などがガイドラインを作り「起立性調節障害」の子どもたちを支援する動きも出ているが、全国的にはまだ遅れている。 

少女の母は自らチラシを作って熱心に娘の病気を学校に説明した。
学校側も朝が難しければ途中からでも、給食だけ食べに来るでも大丈夫と、少女の病を理解してくれた。

こうして学校にはなかなか行けなかったが、それでも家でタブレットを使って受験勉強し、自己申告書に病気で欠席していたことを記載し高校受験に臨んだ。

そして…見事合格、4月から高校に通い始めた。

我が子が朝起きない…怠けていると決めつけず専門医に相談を。

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