中国の人気女優が違法な美容整形で鼻が壊死 現在は回復
中国で活躍する人気女優が違法な美容整形により鼻を失ってしまった。成功すれば巨万の富が得られる中国の芸能界では、ビッグチャンスを掴むため少しでも理想の顔に近付こうと美容整形手術を受ける人も。医療事故やトラブルも増えているという。
人気女優コウ・リュウ(高溜)は、仕事がなく悩んでいたところに仲のよかった高校時代の友達が目と鼻と顎を整形し、全く別人のようになっていたのを見て、恐怖はあったが友達が紹介してくれたクリニックを受診。
二重まぶたの幅を広くするため、まぶたの皮膚の内側を細い糸で固定し、理想的な二重のラインを作る施術を受けたのをきっかけに、鼻筋を通すため鼻の根元にヒアルロン酸を注射するなど、さらに理想の顔を追求するようになった。
それが自信になり表現力が増し、セリフがある仕事も増えたという。そしてドラマの主要キャストに抜擢され、ドラマが話題になりリュウの認知度はグッと高くなり仕事が次々入るように。芸能界に入った頃、1000人程度だったSNSのフォロワーは、なんと500万人を超える有名人となった。
だが、彼女は鼻をもっと高くしたいという願望があり、メスを入れる本格的な鼻の美容整形手術を今までとは違う病院で受けることに。
硬い肋骨にある肋軟骨を、左右の鼻を隔てる軟骨に移植して基礎を作り、柔らかい耳の軟骨を鼻先に移植して、高くするという手術を行うことになった。手術費用は約200万円、次のドラマ撮影にも間に合いそうだと思い切って決断。
全身麻酔を行い4時間後、目が覚めると手術は終了。術後3日間、入院している間は手術成功の喜びでいっぱいだったという。
しかし2日後、初めて鼻のガーゼを変えてもらうと鼻の先端が血で染まったような色になり、3日経つと黒ずみはじめた。医師は「これは鼻に入れたプロテーゼでアレルギー反応が起きてます。再手術が必要です」と入院を延長し再手術。
しかし、今度は鼻が完全に黒くなってしまった。医師は「鼻に血行障害が起きて、壊死が始まっています。この状態から回復するのは難しいと思います」と黒ずんだ鼻の先がこれ以上壊死しないように、投薬で様子を見るのが精一杯だという。
そしてマネージャーからは出演するはずだったドラマと映画の賠償金を払わないといけなくなったと告げられ、その額は3200万円だという。そもそもこの美容整形手術をした病院に責任があるのではないかと病院側にぶつけると、弁護士は鼻の壊死はリュウのアレルギー体質が原因で病院には責任はないと主張。
その後何度も交渉したが、病院は一歩も引かず警察も取り合ってくれず、リュウは最後の手段として500万人以上のフォロワーがいる自分のSNSに「鼻の整形に失敗した」という長文の記事を写真と共に投稿。どの病院で誰が執刀したかなど事実を事細かく書き投稿すると、瞬く間にコメント欄が埋め尽くされ、1日でなんと応援の声が4万件も寄せられた。
これがきっかけとなり、人気絶頂の女優に巻き起こった悲劇として報道され、テレビなどで特集が組まれた。世間に向けて壊死した鼻をさらけだし、病院への不信感、そして治らないと言われた時の絶望感をありのままに伝えていくと、その整形は医療ミスではないかという意見が出始め、病院への捜査が始まったという 。
そして現在、スタッフがリュウに会いに行くと、黒く壊死していた鼻が綺麗な状態に回復。「2021年8月にお尻から組織をとって鼻に移植して、形を整える手術をしました。その2ヶ月後にも形を整える手術をして、現在の形にまで再建することができました。でもまだ傷は残ってるんです」と話す。
彼女はテレビでの特集後、病院を変え、壊死している部分に新しい血管を作る治療を始めた。血管を拡張させる薬を飲み、高圧酸素カプセルに入り徐々に血管が増え、傷が治っていったという。
すると壊死した部分のかさぶたが剥がれ、また、かさぶたになることを繰り返し鼻の傷口が安定するのを待ち、その後、尻の脂肪を鼻に移植する手術を2度行い、現在のように形を整えたという。
鼻にはかすかに赤みを帯びている部分がまだ残っている。現在治療にあたっている主治医は 「これ以上キレイにするには他の部分の肌を移植して、その傷跡をレーザーで消すと言う治療が必要になってきます。2,3年は治療しないといけません」という。
現在は女優業に復帰した彼女。壊死した鼻のせいで出演できなくなった映画やドラマの賠償金は、病院からの賠償金で一部は払ったと話すリュウ。
実は鼻の整形を執刀した医師は鼻の整形手術を行う十分な資格を持っていなかったことが判明し、これまでも同様の医療事故を起こしていたこともわかったのだという。この病院は、6か月の業務停止命令、さらには約100万円の罰金を支払う行政処分を受け、リュウにも治療費の返還と合わせて損害賠償金が支払われた。
中国では整形手術が一般的になり一部のクリニックが免許を持たずに営業していることが問題となっており、現地の一部のメディアによると中国の13000以上の美容クリニックのうち、法律や規制を遵守しているのはわずか12%に過ぎないと報道されているという。美容整形は自己責任だからこそ、病院をしっかり調べて選び慎重に考えることが重要だ。