ハンバーグで意識朦朧 少し前に揉めた夫が入れた食材が原因…?
宮城県に住む二児の母・えりさん。ある日突然、夜中に何度も目を覚ますほどの強烈な喉の渇きに襲われた。それは恐ろしい症状の予兆。再現ドラマでは潮田玲子がえりさんを演じた。
朝になると、子どもを抱き上げようとしたがなぜか腕と足に力が入らない。大手企業に勤めているえりさんはなんとか出社。しかし目がぐるぐると回り、酔っ払っているような感覚。えりさんは前日の食事を振り返った。
昨夜はホテルの料理人として働いていた夫がハンバーグを夕飯に作ってくれていた。ハンバーグを肉1kg分まとめて作り、そこにナツメグを入れ、この日は食べる分だけ焼いて、残りは冷凍保存に。えりさんは夫に毒を盛られたと推測。その理由は2ヶ月ほど前。出張中の夫から1日出張が延びると連絡が入ったのだが、夫を見かけたという人から報告が入り夫に問いただすと、なんと「職場の気になる子に会いに行ってました」と言われたのだ。
そしてえりさんは携帯電話を取り上げ、相手とのやりとりを見るとそこには「お金で解決できるならそうしたいよ」という文面が。それは妻より稼ぎの少ない夫が女性相手に漏らした愚痴だった。そこでえりさんは保険金殺人なのではと、毒物を盛られたことを疑ったのだ。
その正体で思い当たるのは、ハンバーグに大量に入れていたナツメグ。ナツメグはニクズクと呼ばれる木になる果実の種子で、イライラや興奮状態を抑えたり消化を促進したり、腸内環境を整える効果があると言われている。しかし、多量に摂取すると危険な側面もあり、5g以上のナツメグを摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があると言われている。
ハンバーグを作る時、夫はナツメグを少なくとも24g以上入れていた。その量は適量のなんと20倍以上だという。
埼玉医科大学病院臨床中毒センターの上條吉人医師によると、「丸ごと摂取するのは危険だと思います。たいてい中毒になります」と回答。
えりさんは病院へ向かい、ナツメグ中毒には解毒剤がないため生理食塩水を投与して幸いにも2時間ほどで症状が回復。
その後夫を問い詰めるも、夫はそんな症状が出ることなど思ってもなく単純にナツメグを入れると美味しくなると思って入れたという。
しかしなぜ同じものを食べたのに夫は平気なのか?上條医師は「体重が影響した可能性がありますね。体重が多い人の方が同じ量を摂取した場合、効果が出にくいということはあると思います」という。
当時のことを振り返りえりさんは「保険金殺人じゃないよね?って聞いたと思います」というが、夫は「本当に?しか出てこなかったです、(ハンバーグは)とても美味しかったです、自分は」と振り返る。えりさん夫婦は長男も誕生し、現在幸せに暮らしているという。くれぐれもナツメグの分量にはご注意を。