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一世を風靡したジュエリー店・ココ山岡 10万人が巻き込まれた詐欺事件の裏側

2022.10.04 公開

1992年に年間630億円もの売上を記録したジュエリー店・ココ山岡。しかし1997年、突然倒産。そのセールスの実態とは?裁判資料や被害者の取材に基づき再現し紹介した。

例えば、セールスはこのようなものだ。ある男性は、ココ山岡の販売員に「アンケートよろしいですか?」と声をかけられると、店舗へ連れて行かれ、結婚願望や貯金などを自然な会話の中で聞かれていく。そして別の販売員からダイヤモンド購入を持ちかけられる。

販売員からは「5年後買い戻し特約」を提案される。購入から5年以上経ってもし不要であれば、同じ金額でココ山岡が買い戻すという制度だという。ローンでの支払いは月1万円を切ると言われ購入したこの男性。その後、毎月1万円弱を支払いながら、5年後のため大切に保管していたがその裏で恐ろしいことが起こっていた。

1951年、宝飾店としてココ山岡は開業。その後本間という一人の男が就職。やがて男は専務取締役になり、ダイヤを若者向けに販売し、店舗数も全国規模に。

さらに男は「ジャパンジュエリー」という会社を立ち上げ、ココ山岡との間で偽装の取引を行う。

そして社員へのマニュアルを徹底した。1人目の女性販売員がまず客と打ち解け、2人目の販売員が登場し、ダイヤモンドの話をしていく。金額を提示し、反応が良くないと3人目の販売員が値下げの演出をして決断を促す。

男はついに社長に。ダイヤを鑑定する会社も設立しており、ココ山岡のダイヤモンドを意図的にグレードアップした鑑定書を発行し販売価格を上げ、利益を多くしたと思われる。そして1992年には過去最高の売上を記録した。

だが、バブル崩壊の頃を境に5年後買い戻し特約を使う客が多くなっていく。円高傾向が進み国内でのダイヤモンドの価格はほとんど上がらず、ココ山岡の負担は増える一方。1993年、男は部下に社長の座を譲るが、その後も男の指示で5年後買い戻しや強引なセールスを続けた。そして1997年、突然の倒産。

冒頭の男性は、126万円の契約でネックレスを購入していたが、その時点で90万円のローンが残っていたという。弁護士に相談し質屋で鑑定してもらうと、なんと購入価格の10分の1ほどの価値しかないことが判明。当時このような被害者が全国で10万人近くいたとも言われている。

全国約9000人の被害者は9社のクレジット会社を相手取り提訴し、2000年和解が成立。すでに支払った59億円のうち約25億円を取り戻した。

一方男たちは、特別背任罪と、強引にセールスを続けたことによる詐欺罪で起訴された。すべてを取り仕切っていた男には懲役5年6ヶ月、資金の横流しを共に行った卸売り会社社長には、懲役3年、それぞれに加担した部下には懲役1年6ヶ月の判決が下された。

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