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ダッカ日航機ハイジャック事件 人質151人・約6日間の攻防…若者たちが社会への不満や怒りを爆発させた衝撃の犯行の真実とは

2022.09.20 公開

1977年9月28日、日本航空のパリ発・東京行きの便。経由地のインド・ボンベイ(現在のムンバイ)を離陸。離陸後12分、犯人5人は座席から立ち上がり叫びながら拳銃や手りゅう弾を持って客室前方へ。

操縦室に入った犯人たちは、日本赤軍がハイジャックしたと宣言。乗客・乗員151人が人質となった。
犯人たちはバングラデシュのダッカの空港へ行けと指示した。

ここから乗客は5日以上、142時間もの長時間拘束される。

バングラデシュ・ダッカ空港に着陸後、犯人たちの要求と交渉するのは、バングラデシュ政府のナンバー2・マムード空軍司令官になった。

着陸した飛行機は発電される容量が限られており、機内では空調を使えなかった。この日のダッカの気温は30度を超え、湿度は75%以上。機内は45度を超え地獄のような暑さ。あまりの暑さと湿度で呼吸するのもやっとだった。その中で赤ん坊など11名が降ろされた。

そして犯人たちの目的が明らかに。まず身代金600万ドルを要求。もう一つが日本に囚われている仲間9人を釈放して引き渡すことだった。

9人の釈放要求に、福田赳夫内閣は対策本部を設置。法律の下で身柄を拘束している容疑者を簡単に釈放などできるはずがない。それでも乗客の命を守るため、日本の法律に背き釈放を決断すべきか?

先ずはバングラデシュの日本大使館職員が、政府の命を受け対応することとなったが犯人は政府側の質問には一切答えない。

福田総理は「人命は地球よりも重い」と、犯人の要求に従うことで乗客全員が無事に解放される道を決断。この決断に日本からも世界中からも批判の声が上がった。

犯人が要求した9人を釈放するにあたり、出国に対し日本赤軍に合流する意思があるのか確認作業が行われた。3人が出国を拒否。6人が同意した。

10月1日早朝4時頃、6人が釈放され、厳重な警備で移送。600万ドルの現金は3つのバッグに分けられた。犯人と交渉する日本政府団の団長には、運輸省の石井一政務次官が任命された。

政府救援機はダッカの空港に着陸するが、日本政府団は衝撃の事実を知る。要求された身代金と釈放犯との交換に解放するのは60人だけだというのだ。

石井はマムード空軍司令官へ犯人側との直接交渉を相談するが、ここまで交渉を進めてきたマムードは自身に任せてほしいという。全員解放の責務を負った石井だが、自分では何もできない状況。犯人が全員解放を認めるまで、交渉をお願いするしかなかった。

10月1日、犯人側は、30分後同志の引き渡しの動きがなければ、乗客を処刑すると伝える。その状況に石井は「直接、犯人と話させてくれ」とマムード空軍司令官に伝える。

石井は全ての乗員・乗客の解放を要求。それが駄目であれば自身が乗客の身代わりになると伝えた。

しかし犯人側は「日本政府高官の豚が約束を破った!」と仲間6人のいる政府機へ向かい同志と金をすぐに持ってくる証拠を見せろと迫った。他に道はないと石井は要求を承諾した。

機内にいる乗員・乗客合計140人のうち、60人と引き換えに600万ドルと釈放犯6人を引き渡すことが決まった。釈放犯1人に対し、乗客10人ずつ交互に解放していく形となり、身代金600万ドルは200万ドルずつ分けて渡していった。

10月2日、燃料切れで墜落という最悪のシナリオを防ぐため、日本政府はバングラデシュを飛びたった後の受け入れ先を探していた。そしてアルジェリアが、条件付きで次のハイジャック機の受け入れを検討してくれるという。また、マムード空軍司令官は残された乗客の安全を考え、アルジェリアが受け入れの可能性があるとあえて犯人に情報を渡していたという。

そして、釈放犯受刑者6人全員と身代金600万ドルの引き渡しが終わり、病気の乗客など先に解放された11人と今回の60人、合わせて71人が解放された。

その後、機体の整備など離陸への準備を進めていると、犯人側から全員ではないが追加の解放があった。

10月2日、ハイジャック機はダッカの空港を離陸。犯人側はアルジェリアではなく、クウェートへ行けと指示。クウェート政府は、乗客の命のために、給油と物資の補給だけを条件に着陸を認めた。

クウェート、シリア・ダマスカス空港を経由しハイジャック機はアルジェリアの空港に到着。
その後、実行犯5人と釈放された6人がどう逃走したかは日本政府も掴むことはできなかった。乗員・乗客全員は無事日本に戻ってきた。

そんな中警察の懸命の捜索でハイジャック実行犯5人のうち、3人を逮捕。そして、釈放された6人のうち3人が逮捕された。

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