高齢の父から腎臓を…5GAPクボケンを襲った痛風と慢性腎不全
1999年にクボケンとトモが結成したお笑いコンビ「5GAP」。
コンビを結成し2年が経った頃足の痛みに苦しみ、靴下も履けないほどだったという。なんとか病院に着くと、診断は痛風。
痛風とは血液中に溶け込んでいる尿酸が、時に足の指や膝などの関節で結晶化して溜まり、この結晶が炎症を起こし痛みを引き起こすというもので、まさに風が当たるだけで耐え難い激痛が走る病気だ。
尿酸が増える原因の一つはプリン体の過剰摂取。プリン体はどの食べ物にも入っているが、特に多いのがレバーや魚卵、またはビールなどのアルコール飲料だ。
そのため、水分や、プリン体が少ない野菜・乳製品をとるように医師に言われ、水分が多そうな野菜を積極的に食べ、外食するときは水もたくさん飲んだ。それでも2-3ヶ月に1回のペースで様々な箇所に痛風の症状が出たという。
そんな痛みの中コミカルな動きのお笑いを続け、お笑い番組などに呼ばれることも増えていき、ブレイク寸前だったという。
そんなある日、医師から「慢性腎不全」という病名を告げられる。慢性腎不全とは、長い年月をかけて腎臓の働きがゆっくりと悪くなる病気。クボケンの場合、痛風の原因となる尿酸が作られやすい体質で、さらに腎臓の働きが悪く尿酸が排泄されず、頻繁に痛風発作を引き起こしていたと考えられる。
しかし、芸人としてまたとない売れるかもしれないチャンスが訪れていたクボケン。先輩芸人との付き合いも大事にした。
当時について「足の親指に痛風発作が出ている時は、足先はいかにつま先をこうつけないか、こうソフトタッチをするという、どっちかというと意識は足の方に全部いっていたぐらい」と振り返る。
そしてさらに医師から「久保田さんの腎機能ですが100あるところの15%しか機能していません」と告げられる。慢性腎不全の場合一度機能が低下した腎臓は今の医学では改善しない。そのため透析か、人が2つ持っている腎臓のうち1つを提供してもらい移植する必要が考えられる。
血液透析は機能しない腎臓に変わり、人工的に血液から老廃物などを取り除く処置。医師から透析が無理であれば、両親どちらかの腎臓を移植するという選択も伝えられたがクボケンは両親には言えなかった。しかし、自分が芸人として生きていくためには、もはや両親にお願いするという選択肢しかなく、母親に電話。
「両親に移植してもいいかどうか確認してくれって」と話すと、母は泣きながら「ちゃんと産んであげられなくてごめんね」と伝えてくれたという。そして、両親は、一つの迷いもなく腎臓を提供すると言ってくれた。
しかし、当時父親は72歳、母親は69歳。年齢が上がれば移植のリスクも高くなる。検査の結果、父親の提供が適切だと判明。
その後、父親に他の病気がないか様々な検査が行われ、その度に、群馬の実家から東京に来てくれたという。クボケンは、売れてもなく迷惑ばかりかけた自分になんのためらいもなく父親が腎臓を提供しようとしていることが苦しく、「こんなことになってごめんね…」と言った。父親は「いいんだよ、田舎にいたってやることないから」と言ってくれたという。
相方のトモも「お守り買って来たからさ、手術頑張って」と、お守りを手渡してくれた。
2016年7月7日、手術は無事成功!クボケンは手術の成功を変顔写真で報告したという。そしてクボケンは当時付き合っていた彼女と結婚し、子どもにも恵まれたという。