混ざると危険!真夏の風呂掃除中のレモンで呼吸困難に!?
「混ぜるな危険」。よく見るこの表記は家庭用の塩素系洗剤や酸性の洗剤などに義務化されている。つまり、混ぜたら本当に命に関わることがあるということだが、あるものを食べながら塩素系洗剤を使い、死の危機を感じた女性がいた。天才ピアニスト・ますみが再現ドラマで演じた。
都内で翻訳の仕事をしているサヤカさん。両親は海外を飛び回っていて、家にほとんどいないため時間のある人が家を掃除することになっていた。
残暑厳しいある日、その日はサヤカさんの掃除担当。まずはお風呂場の壁にカビ取り洗剤を吹き付けた。そして30分後、まだカビが残っていたためこすり洗いを開始。さらに熱々のシャワーをかけ、しばらくすると、浴室はサウナ状態に。
暑さに参ったサヤカさんは、掃除前に作っていたレモンのハチミツ漬けを食べながら掃除をすることに。レモンなどの柑橘類にはクエン酸と呼ばれる疲労回復を促すとされる成分が含まれており、ハチミツの糖分は吸収が早く体内ですぐにエネルギーになるので、レモンのハチミツ漬けは疲れた時に適した食べ物だった。
食べながら掃除を再開するとわずか2-3分後に喉が乾燥したような感覚になり、その後ヒリヒリと焼けつくような痛みが発生。さらに視界までぼやけていき、のどの痛みは悪化。つばを飲み込むだけで激痛が走った。
一方この時、2階にいた母は2階まで漂う塩素のニオイに異変を感じ、様子を見に来るとそこには倒れているサヤカさんが。
レモンを見つけ母は大慌て。塩素系の洗剤と酸性の洗剤を混ぜると危険という知識があった母は、塩素系の洗剤を使いながら酸の強いレモンは危険なのでは?と直感的に思ったのだ。
専門家によると、レモンと塩素系洗剤が反応すると塩素という危険なガスが発生するという。塩素ガスとは、かつて第一次世界大戦で化学兵器として使用されたほどの猛毒ガス。間違って吸い込むと、目や皮膚、気道の粘膜を強く刺激して、激しい痛みが生じ肺に侵入すると呼吸困難になり、最悪の場合死に至るという。
そんな塩素ガスが塩素系洗剤を使いながら、レモンを食べていて発生したというのだ。洗剤がはねてくわえていたレモンに飛び散って反応した、もしくは温度と湿度が高くなったことで塩素系洗剤がミスト状になり、それがレモンの酸と反応したと考えられるという。
塩素を吸ったと思われるサヤカさんは、その後少し症状が落ち着き、病院へ。幸いにも、吸い込んだ量が少なかったため事なきを得た。