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毎週火曜 よる9時00分~9時54分 放送

家族を疑ったキャビンアテンダント

2021.06.01 公開

2016年。
中南米に位置するホンジュラスからアメリカ・マイアミへ向かう機内。

ベテラン客室乗務員のドナ・ハバートはある乗客に目が留まった。
それは一組の家族らしき3人。

だが、なにか違和感が…若い夫婦が子どもを抱えて乗り込んでいる。
子どもの大きさを見ても抱っこされるような年には見えない。

とはいえ、そういう親もいるかもしれないし…絶対ありえないというわけでもない。
たが、ドナは妙にその家族が気になった。

よく見ると少年は目がうつろになっているような気がする。
何かがおかしい。1人で歩けそうなのに抱えられてきた…そして、うつろな目。
さらに、周囲を警戒するような夫婦の態度。

ドナの漠然とした違和感は「ある疑い」に変わった!
それは、あの少年がどこかでさらわれた後この機内に乗せられているという疑い。

そう考えると、あのうつろな目も…もしかしたら『薬物』の可能性も考えられた。
それは、誘拐事件で使われる常套手段だと言われている。
移動中に被害者が騒がないよう薬物を使用する事があるのだ。

だが、なぜ彼女はすぐに疑うことができたのか?
それには驚きのわけがあった!
実はドナ、自身が30年以上前に薬物を使用され連れ去られたことがあったのだ。

その後なんとか普通の生活に戻れたが、この経験がきっかけとなりある団体に所属することに。それは誘拐などによる人身取引を発見し、阻止する方法を航空業界向けにトレーニングすることを目的とする『エアラインアンバサダーズ(Airline Ambassadors International)』という非営利団体。

人身取引とは、例えば被害者が誘拐される、だまされるなどして売られたり、望まぬ労働などを強いられたりすること。

人身取引の被害者は世界で4000万人を超えるといわれるが、アメリカだけでも年間2万人以上が被害にあっている。

しかも、その78%は未成年なのだという。

1人でも被害者を少なくしたい…と、ドナは団体に参加。
誘拐犯の見分け方を学び、トレーナーの1人として活動するほどになっていたのだ。

誘拐犯だと見極めるためにとった作戦とは!?

とはいえ、この2人が誘拐犯だと言える確証は何1つない…この時、すでに到着まで1時間を切っていた。
もし誘拐犯だった場合、見逃せば取り返しがつかなくなる。
だが、迂闊な行動をとれば事態が悪化する恐れも!

今は空の上…万が一犯人が逆上でもしたら乗客を巻き込んだ大惨事となる可能性もある!

そしてドナは犯人たちのある瞬間を狙った!
ドナが狙っていたのは…女のほうがトイレに子どもを連れて行ったこの瞬間!
つまり、男女が離れるタイミング!

ドナは同僚に声をかけた後、すぐに子どもを連れている女のもとへ行き、こう聞いた。

ドナ「あらかわいい、おいくつなんですか?お名前は?」

女は子どもの名前を「ホセ」、年齢は「8歳」と答えた。

そしてちょうどその時、ドナの同僚が男のほうに全く同じ質問をした!
これがドナの作戦だった!

実は誘拐犯たちは被害者に対する情報をしっかり把握していないことが多い。
男のほうは子どもの名前を「ペドロ」、年齢は「5歳」と答えた!

名前も年齢も違う!これはやっぱりおかしい!
ドナは、機長に連絡した。

すぐに空港には警察が配備された。そして着陸後、犯人は確保され事件は無事解決した。

かすかな違和感から誘拐犯を見分けたドナ、実は日本でも活躍していた!
3年前に全日空の招きで来日し、航空関連の職員や官庁、市民団体の人々に、その知識を教えた。
そして現在も、世界中の航空会社からの依頼を受け、講習を行っている。

では、実際にもし誘拐犯と遭遇した場合どうすればいいのか?
彼女によると、まずは決して危険をおかさずとにかく乗務員に報告することだという。
大事なのは身の周りにある違和感や変化に気づくこと。
おかしいな…と思ったら報告すること。それが事件を未然に防ぐことにつながると語る。

些細な違和感や変化。それに気づくことで救える命もある。

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