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指が動く 奇跡の手術

2020.03.03 公開

去年、脳の手術を受けた1人の女性がいた。
彼女はギタリスト・ERIKA。
ソロ活動の傍ら、様々なアーティストのサポートメンバーとしてライブやレコーディングにも参加している。

そんなERIKAに異変が起きたのは、2017年の年末だった。
初めて主催するイベントに向けて、オリジナル曲を作っていた彼女。
異変に気付いたのは、作業を手伝っていた音楽専門学校時代の恩師だった。

左手の小指が、無意識にネックの後ろに回り込んでいたのだ。
本来、ギターを弾くときは、小指はネックの前にある。
しかし彼女の小指は、普段とは別の場所にあった。

翌日…左手は普段通り動いた。
この頃イベントに向け、風呂と食事の時以外は、ギターに触っていた状態。
さらに彼女は、週に数回、ギター教室で初心者に向けて教えていた。

1991年、東京に生まれたERIKA。
おとなしい性格の彼女は、人間関係に悩み、長く不登校だったこともあったが、高校1年のときにギターに出会い、人生が変わった。

その後…様々なアーティストをサポートするなど、ギタリストとして精力的に音楽活動を続けていた。

小指に異変があって、数か月が経った頃。
またも左手に違和感を持ち、ふと見ると…小指と薬指がつっぱり、スムーズに動かなかった。

心配になった彼女は、母に左手の動きを見てもらったが…なぜか、ギターを弾いている時以外は、左手は正常。

しかし…やがて、彼女は思った音を出せなくなってしまった。

ギターをやめようとも考えた

あまりにもおかしい…何かの病気なのか?
彼女は自分に起きている状態をインターネットで検索した。
すると、ある病名が目に入った。

それはジストニアという病気。
それは、なんとなく自分と似た症状だった。

ジストニアは脳神経の異常によって、筋肉が思わぬ動きをしてしまう病。
薬や手術で、症状がよくなると書いてあった。

異変から10か月…彼女は神経内科へ行った。
医師が左手の動きを確認すると、スムーズに動いた。
ギターを弾いていなければ、異常があるようには見えなかった。

彼女は事前に調べていたジストニアについて、医師に尋ねてみた。
こうして一通りの検査をすることに。

CT、血液検査など、一般的な検査を行った。
ジストニアなら、またギターが弾ける可能性がある!!
しかし…検査の結果、特に異常はないと言われた。

そして原因は、ストレスや精神的な負担ではないか、言われた彼女。
病院では、肩こりやめまいを改善する漢方薬やビタミン剤が処方されただけだった。

周りの仲間たちは、ライブを重ね経験を積んでいく。
自分だけが取り残されていく…そんな気持ちになった。

病院からの薬は効かない。
藁にもすがる思いで、マッサージや鍼治療にも通うが、ダメだった。
彼女は、両親の前で泣き崩れた。

ギター以外では、正常な左手。
ギターさえ弾かなければ、こんなに苦しむこともない。
そして、ついに…ギターをやめることも考えた。

だが…不登校だった少女時代、彼女の人生を明るく照らしてくれたのがギター。
人生をかけて続け、必死に練習してきた…ギターがない人生は、もう考えられなかった。

奇跡を信じてジストニアに詳しい医師を訪ねたERIKA。
すると…局所性ジストニアに間違いない、という診断結果を告げられた。
「治療すればよくなる」と言われ、希望が湧いた。

彼女が受けた「定位的熱凝固手術」とは

局所性ジストニアとは、脳や神経の機能異常により、筋肉を動かす指令が誤作動を起こし、無意識に体の一部が異常な動きをしてしまう病。

多くの場合、原因は不明。
複雑な動きを繰り返す職業で発症することが多く、職業性ジストニアとも呼ばれる。

多くのミュージシャンやアスリートを苦しめる、局所性ジストニア。
では一体なぜ彼女は、前の病院でこの病を見過ごされてしまったのか。

実は局所性ジストニアは、検査で異常が現れないことが多い。
それがむしろ局所性ジストニアの特徴であるにも関わらず、それを正しく理解している医師は少ない。

そのため、検査で異常のない彼らは、精神的なものが原因と診断を受けてしまうケースも多いのだ。

医師が提案した治療法は「定位的熱凝固手術」という驚くべきものだった。
頭蓋骨の一部に穴をあけ、「視床」と呼ばれる部分に電極を入れ、誤作動を起こしている部分を焼いて破壊するというもの。
そして、それはなんと患者が意識のある状態で行われるという。

麻酔がかかっているのは、頭皮のみ。
頭蓋骨や脳には、痛点がないため、痛みは感じないという。

同じ症状で手術を受けたドラマーの男性は電極を刺した状態で、ドラムの動きを始めると…スムーズに指が動き始めた。
それは電極が脳のターゲットに電流を流した瞬間のことだった。

このように患者の動きを見ながら、電流を流す正確な位置を確認するため、意識がある中で手術を行う必要があるのだ。

去年10月。
ERIKAさんも、この手術を受けた。

手術室で、彼女の傍らには愛用のギターが。
その時のことを彼女はこう語る。

ERIKA「頭蓋骨に穴を開ける時、すごい振動と音でした。でもこれから治るんだという希望の方が強くて、全然怖くなかった。」

手術から5か月…彼女の姿はステージにあった。
現在、ERIKAさんはパワフルなパフォーマンスをみせている。

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