みどころ

美術館で映画の世界を体感!

通気口を抜けると、そこは床下。秘密に満ちた小人たちの暮らしが広がります。
美術館の展示室に入ってまず目にするのは、スタジオジブリ最新作『借りぐらしのアリエッティ』の巨大なセットです。足を一歩踏み入れただけで、気分はもうアリエッティ。身長わずか10センチの小人の世界です。
映画美術監督・種田陽平が手掛けた本格的なセットはディテールに溢れ、一切の妥協がありません。アリエッティの部屋、家族がくつろぐ居間と台所、父ポッドの作業部屋、そしてそれらを結ぶ迷路のような通路。背丈を越える植物や人間の家から「借りてきた」様々な道具類など、小人たちの工夫と豊かな発想をリアルに感じられる空間。限られた時、限られた場所でしか公開されない、現実に出現したアリエッティの世界。きっと何度でも訪れたくなる、何度訪れても新しい発見があるはずです。

世界が認める映画美術監督、種田陽平

『キル・ビルVol.1』『ザ・マジックアワー』など多数の話題作で独自の世界を創り続ける映画美術監督・種田陽平。日本アカデミー賞、文化庁芸術選奨・文部科学大臣賞など数々の賞を受賞し、国内外の監督から圧倒的な信頼を得る、映画ファンには「神様」と呼ばれる存在です。独特の感性と細部に至るこだわり、現実を追求しながらも巧みに虚構を融合させるそのバランス感覚が生む魅力とパワーが、アリエッティの世界に出遭ったとき、アニメーションにも実写映画にもない世界と空間が生まれます。
展覧会では巨大セットのみならず、種田陽平が過去に手掛けた作品の写真、図面、模型と言った資料と映像を通じてお伝えします。
普段はめったに体験できない映画のセットはもちろん、その制作過程も存分にお楽しみください。

スタジオジブリ最新作「借りぐらしのアリエッティ」に迫る!

2010年夏に公開され、人気を集めたスタジオジブリのアニメーション映画。スタジオジブリと三鷹の森ジブリ美術館の全面的な協力を得て、イメージボードや美術ボードなどをはじめとする映画の制作資料を公開します。
現代的な物語の舞台や魅力的なキャラクターはどうやって生まれたのか?
作品に託された密やかなメッセージとは?
原画から伝わる、さわやかな小人の世界に浸ってください。