エキシビジョン

現実と虚構を融合させる。映画美術の神様、種田陽平が手掛けるスタジオジブリと小人たちの世界。

『キル・ビル Vol.1』『ザ・マジックアワー』など多数の話題作を手掛け、今最も注目される映画美術監督・種田陽平が、美術館の展示室にスタジオジブリのアニメーション映画『借りぐらしのアリエッティ』の巨大なセットを創ります。

種田陽平は実写映画の世界で、クエンティン・タランティーノ、三谷幸喜ら数々の監督から絶大な信頼と高い評価を受ける美術監督。何も無いスタジオの中に緻密に計算されたセットを組みあげ、独特の感性と研ぎ澄まされたセンスで仕上げを施すと、その空間は瞬時にして「異世界」の輝きを放ち始めます。それは、まさに「神業」。
通常、私たちはこの異世界を、完成した映画を通してしか観ることができません。どんなに魅力的に作られた映画のセットも、撮影終了とともに解体され、直接目にする機会はほとんどありません。

今回、宮崎駿監督が企画を練ったアリエッティの世界をスタジオジブリ・米林宏昌監督がアニメーション映画に、そして種田陽平が実写映画の技を惜しみなく注ぎ込み、現実にあるセットにします。
小人たちが生活に必要な物を人間の家から「借りてきて」「暮らしている」そして、「ひっそりと」「一所懸命に」生きる。映画に描かれた暮らしぶりが、種田陽平の手によって、展示室に出現します。魅力に溢れたその世界に直接触れ、小人になった気分で、物語の中に入り込めるまたとない機会です。

展覧会では種田陽平がこれまでに手掛けた映画美術の資料や、『借りぐらしのアリエッティ』の資料なども展示します。映画の品格を決めると言われる映画美術。その魅力を見て、触れて、「体感」する展覧会です。
現実と虚構を融合する-。映画美術の神様、種田陽平が手がけるスタジオジブリと小人たちの世界へ
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