この作品が描かれた1945年頃、レンピッカはニューヨークで、孤立した生活を送っていた。肖像画の注文が途絶え、彼女は理想化された若い娘の像を繰り返し描くようになった。この作品に見られるようなパターン化された女性の顔は何度も描いているうちにいつしか強迫観念となり、彼女はルネッサンス期の巨匠達の作品を下敷きにした絵画をたくさん描くようになった。第二次世界大戦が終結した時、レンピッカはあらゆる分野で世界が変化した事に気付き、苦々しく感じた。芸術の分野でも彼女は時代に取り残されたのである。(A・B)
作品解説
日本初公開
1945年頃/油彩・キャンヴァス/パディ夫妻蔵
© 2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI
Archive MMI NYC / Richard & Anne Paddy
ADAGP & SPDA