展覧会のみどころ-
レンピッカの作品はまとまった点数を所蔵、展示している美術館がない上、個人所蔵家も多く、フランス、アメリカ、メキシコなど世界中に点在しています。このため、これほどの点数が一堂に集まることは極めて稀。初期から絶頂期、そして晩年に至るまで、日本でレンピッカの画業を網羅的に観ることができるまたとないチャンスです。
監修は2006年、フランスの美術館として初めてレンピッカの回顧展を開催し、成功に導いたエマニュエル・ブレオン氏(当時1930年代美術館館長、現オランジュリー美術館館長)。また、1960年代にレンピッカを再発見したレンピッカ研究の第一人者、アラン・ブロンデル氏の全面的な協力も得るなど、学術的な裏付けは十分。美術史の流れの中でレンピッカという画家を位置づけなおします。
《イーラ・Pの肖像》、《タデウシュ・ド・レンピッキの肖像》、《大公ガブリエル殿下の肖像》、《サン・モリッツ》など、レンピッカの傑作といわれる作品を含む油彩約60点を展示。うち、メインビジュアルの《緑の服の女》や《シュジー・ソリドールの肖像》(東京展のみ展示)など、日本初公開作品も約30点。世界未発表作品も含まれる贅沢なラインナップです。
レンピッカは優れたデッサンも数多く残しており、その中から選りすぐりの約20点を出展します。また、レンピッカが表紙を描いたドイツのファッション誌「DIE・DAME」や関連作品も展示し、レンピッカが生きた時代を感じながら、その足跡を辿ります。
多くの著名人やアーティストに愛され、近年評価額が高騰しているレンピッカの作品。2009年に開催された有名オークションでも数億円もの値が付き、ますます注目度が増しています。