「恋愛絵画」の傑作であるこの肖像画において、レンピッカは愛人の肉体の魅力を引き立てるため、絹のドレスのなめらかな肌触りを見事な技巧で表現している。レンピッカがこよなく愛したカラーの花弁はイーラ・ペローの肉体を包む白いドレスと同じくらいのなまめかしさで雄しべを取り囲んでいる。くっきりと対角線で仕切られた構図、画面いっぱいに描きこまれたモデルの身体、二つの補色の使用など、独自の絵画技法が最大限に活かされたレンピッカ絶頂期の名作である。(A・B)
作品解説
日本初公開
1930年/油彩・板/個人蔵
© 2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI
Photo Archive A. Blondel / L. S. Jaulmes
ADAGP & SPDA