もしレンピッカが紋章を作ったなら、その中心にカラーの花を据えたに違いない。彼女の作品にはそれほど頻繁にこの花が登場する。レンピッカがこの花をこよなく愛した事実は、いったい何を意味しているのだろうか。カラーの白い花弁はもちろん無垢をあらわしている。それに対し、その花弁の中央の膨らんだおしべは、肉欲のイメージそのものなのだ。この花はいわば彼女の苦悩に満ちた精神を反映するもので、聖性と淫乱さの危うい結合を意味しているのである。(E・B)
作品解説
1931年頃/油彩・板/個人蔵
© 2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI
Photo Sotheby's NY
ADAGP & SPDA