じめじめとうっとうしい日本の梅雨。そんな中で青色に咲くのがアジサイの花。まさに雨の似合う花の代表格ですね。そんなアジサイですが、雨の中でひっそりと咲くそのイメージとは対照的に、じつはとてもたくましい植物らしいのです。本当なのでしょうか?今回「目がテン!」ではアジサイの真の姿に迫ります!
アジサイの花はいくつあるのでしょう?矢野さんが根気よく数えてみました。ひとつのかたまりに付いているその数は74個。ところがそこで思いがけない事実が。矢野さんの数えた以外に花がまだあったのです。いつも皆さんが見慣れている花が、アジサイの花の全てではありません。花の下に隠れて5ミリほどの小さな粒のようなものがくっついていますが、実はそれが花の本体。花のように見える物は、装飾花と呼ばれ、花の一部でしかないのです。さらに、装飾花がどんな役割を果たしているのか、ミツバチを使って実験してみました。すると、装飾花のある花には、ハチが集まるのに対し、装飾花がない花には、全く寄りつかないという結果になりました。アジサイは、装飾花を発達させることによって、虫を呼び自然を生き抜いていたのです。
ハイドランジア(水の器)と名付けられるほど、水との関係の深いアジサイ。切り花にすると、1時間もしない内にしおれてしまいます。アジサイの葉には数多くの気孔があり、普通の植物よりも水分蒸散量が多いためなのですが、その分根の繁殖力は強く、倒れた茎からも根を張り出すという荒技もあるのです。
先日「目がテン!」で紹介したヤギ。ヤギのすむ無人島・八丈小島で実は面白いことがあったのです。なんと草食で何でも食べてしまうヤギが、アジサイだけには全く口を付けていなかったのです。
そこで、アジサイといえばカタツムリ。葉をかじるカタツムリのこと、きっとアジサイの葉を食べているに違いない、と置いてみました。すると、なんとカタツムリは全部、葉から逃げていってしまったのです。まるで人気の無いアジサイ。いったい動物はなぜアジサイを食べようとしないのでしょう?実は、アジサイには青酸ガスの元となる物質が含まれていたのです!植物界ではその含有量は最多。外敵から葉を守るための手段として、アジサイ最大の武器なのです。
| アジサイは青酸ガスの元で身を守っていた!
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アジサイの花はその鮮やかな青色が特色。植物界では珍しい色です。ところがこの青色が、ヨーロッパでは赤色になってしまうのです。いったいアジサイはなぜ、日本では青なのでしょう?実は日本のような酸性土壌では、土中に含まれるアルミニウムが溶けだし、アジサイの根から吸収されます。そのアルミニウムが、アジサイの赤い色素と結びつき、青い色素に変化させてしまうのです。表面的には色の変化となって現れるアルミニウムですが、植物にとっては成長を妨げる物質。アジサイの根はアルミニウムを無毒化することによって取り込むことができる優れた植物なのです。
| アジサイが青いのはアルミニウムを吸収するため!
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では、アジサイの中のアルミを取り出すことは出来ないのでしょうか?アジサイの花10キロ分を集め、「目がテン!」が史上初の試みにチャレンジ!さんざん時間と費用を費やした後、出来たものは…たった3グラムのアルミ!記念にコインにしてみました…。
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