最近、ちまたに続々とコーヒーショップが出現しています。今、コーヒーは大きなブームとなっているのです。昔、コーヒーといえば、眠気覚ましというのがひとつ大きな役割でしたが、今回のブームでは、みんな、よりおいしいコーヒーを望むようになっています。
そこで今回の「目がテン!」では、おいしいコーヒーをいれられないか?を科学の力で挑戦してみました。
なんとコーヒーは日本にも生えていた?それも茨城県に!?という事で矢野リポーターが早速現地へと飛びました。すると有りました有りました。本来北緯25度から南緯25度の間がコーヒーの栽培地帯なのですが、ハウスでの栽培より、北緯35度での栽培が可能となったのです。ところでコーヒー豆はどんな形で木になっているのでしょうか?コーヒーの木をみると、枝にギッシリとサクランボのような果実がなっています。これはコーヒーチェリーと呼ばれ、紛れもなくコーヒーの実です。食べてみるととても甘い!実はコーヒー豆と言われるのは、豆ではなく、このコーヒーチェリーのタネだったのです。でもここで不思議なことに気が付きました。同じ木になっている果実なのに赤かったり緑だったりと、熟し方がバラバラです。コーヒーは四季のない熱帯の植物のため、一年に4回くらい花を咲かせます。するとそれぞれ果実が熟する時期も違い、完熟した赤い実と、未熟な緑色の実とが混在しているというわけです。
生のコーヒー豆を所さんも初めて見ました。しかし生のコーヒー豆でコーヒーをいれても、どちらかといえばお茶に近い色と味で、コーヒーの色も味もしません。コーヒー豆がコーヒー豆になるには、“焙煎(ばいせん)”という作業が必要なのです。焙煎とは火であぶって種を煎ることなんです。そして種が加熱されることで中にトンネルのような空洞ができ、種の大きさは生の頃の2倍の大きさとなります。生の種の主な成分は、タンパク質、ショ糖、クロロゲンの3つ。これらが加熱されることによって複雑な化学変化を起こし、コーヒーに必要な色・味・香り作り出されるのです。
| 焙煎とは、熱による化学変化で色・味・香りを作り出す作業だった!
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コーヒーをおいしく飲むポイント、それは煎りたての豆を使うこと。そこで焙煎を自分で行う、自家焙煎も最近密かな人気ですが、煎りムラができたり、焦げすぎた豆から余計な苦味が出てまずくなるなど、なかなかうまく行かないのが実際のところです。
そこで「目がテン!」では、画期的な思い付き。なんとコーヒー豆を揚げてしまおうというのです。矢野リポーターが訪ねたのはなんと天ぷらの名店みかわ。コーヒー好きを自認するご主人、快く実験には協力して頂けましたが…。さっそく前代未聞の実験開始。コーヒーの焙煎温度と同じ180度の油に豆を入れます。しばらくすると豆に色がつき、揚がってきました。色も香りもいい感じです。残る問題は味・・・油が味の妨げにはならないのでしょうか!?しかし飲んで見ると、驚くことに大変ウマイ!おいしくなる一番の理由は、揚げることで熱が均一に通るからなんです。さらに心配していた油も、水に溶けず粒子もフィルターのすき間よりも大きいために、抽出されたコーヒーには油が混ざらないのです。生の豆は、デパートなどで売られていますので、ぜひお試しあれ。
| 焙煎ならぬ揚げコーヒー、絶品です!
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これまで「目がテン!」では、戦時中、コーヒー豆が不足した時代に代用品で作られた、様々な代用コーヒーを再現し、そして所さんにダメ出しをされてきました。大豆、ヒマワリ、ピーナッツ、ビーフジャーキー…。
そこで今度こそ、所さんに納得して頂こうと、真打ちの登場です。それは、チコリ。あまり耳慣れませんが、最近サラダなどに進出著しい、外国の野菜です。しかし使うのは葉っぱではなく根っこの部分。チコリを栽培している農家の方に根っこを分けてもらうと、驚くほど太い根っこです。これを適当な大きさに切って乾燥させたものを焙煎します。こうして出来上がったものを粉末にするとなんだかココアのようです。さっそく所さんに飲んでもらいました。すると感想は「煎じ薬のような味。これが何かに効くっていうなら我慢して飲むけど・・・」と、またお気に召してはもらえませんでした。チコリの根っこの成分は、確かにコーヒーとは違うのですが、チコリに含まれるクミンという成分がコーヒーと同じような苦味を作り出すのです。
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