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科学で絶品チャーハン
#582 (2001/05/20)
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中華料理の人気者、チャーハン。いまや日本料理と言っても過言でないほどすっかり日本の食宅にもなじんでいます。しかし、なかなかパラっと美味しいチャーハンは家庭では出来ません。そこで今回「目がテン!」が科学の力を駆使して家庭での美味しいチャーハン作りに挑戦。挑戦するは2回めの登場の矢野ママ(矢野明仁)。はたしてその結果は?
矢野ママが訪れたのは埼玉県の宮口さん一家。男の子2人を抱えたお母さんのお手伝いをするため、早速矢野ママはチャーハン作りに挑戦。しかし案の定べたべたなチャーハンが出来てしまいました。
そこで矢野ママは有名シェフに教えを請う事にしました。東京の麻布長江のオーナーシェフ長坂さん。早速調理してもらうと、実に手際良く短時間で完成しました。シェフ曰く「チャーハンは短時間での調理が命!」
ご飯の代わりに、キャベツを炒めてみると、名人の炒めたキャベツはシャキシャキしたまま。顕微鏡で見てもキャベツの細胞は壊れていません。一方家庭で長時間かけて炒めたものはシナシナになり、その細胞は破壊されています。これと同じことがチャーハンにも起こっているのです。
チャーハンの“チャー”の字は漢字で書くと“炒”。この炒めるという字は火へんに少ない、と書きます。この少ないは“時間が少ない”の意味だったのです。これは火を使う時間が少ない、つまり短時間で加熱する料理ということなのです。チャーハンをパラパラに作るポイントは、いかに余分な水分を無くすかということです。炒める時間が長いとご飯の細胞が壊れ、水分が出てベタベタしてしまうのです。それでは短時間で加熱するにはどうしたらいいのでしょうか?まず「材料を細かく切ること」。そして油が、時間短縮に大きな役割を果たしているといいます。油を入れると、材料に油が絡む分、フライパンに接する面が増え温度が素早く上がるのです。
時間短縮にもう一つ必要なのがやはり火力。中華料理は火が命、といわれるゆえんです。しかし火力の差とはなんなのでしょう?
そこで強火と弱火の炎の温度を計ってみます。すると意外な事に、温度は全く一緒だったのです。実は強火は熱の供給力が多く、フライパンが冷える間を与えずに温め続けて常に熱い状態を保つことが出来ますが、弱火だと熱の供給力が少なく材料を入れるたびにフライパンが冷めてしまいます。お店の業務用コンロは2〜3万kcalもあります。対して家庭用のコンロの火力はおよそ4000kcal。チャーハンを炒めるのに理想といわれる温度は230℃といわれていますが、家庭用コンロではなかなかその温度を持続することが出来ません。家庭の中華料理よりお店の料理がおいしい秘密は、ここにあったのです。
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火力とは熱さにあらず。熱しつづける持続力のことだった!
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やはり家庭用の火力では眼界があることを知った矢野ママ。そこで矢野ママは思い付きました。「フライパンを変えてみよう」。冷めにくくて高温を維持できるフライパンとは何か?探してみると石が一番冷めにくいものでした。石焼きビビンバに使われているのも納得です。
そこでなんと矢野ママは石でフライパンを作ってしまいました。石は何と、美空ひばりさんのお墓にも使われている最高級の本小松石。その重量は何と30キロ!これではフライパンを振ることが出来ません。
そこで助っ人にボディービルダーを頼み、フライパンを動かしてもらい、麻布長江の長坂氏に調理を依頼。家庭の火力で美味しいチャーハン作りに挑戦です。まずは石のフライパンを加熱するのですが、これがなかなか温まりません。なんとフライパンが温まるのに3時間もかかってしまいました。なんとか温まったフライパンをボディービルダーは汗だくで振り続けます。
こうして出来上がったチャーハンですが普段家庭で作るチャーハンよりは、パラパラしてておいしいものでしたが、石鍋の温まり方がまだ足りなかったようでプロの味には及びませんでした。
実は様々な科学的な知識を生かせば、家庭でも美味しいチャーハンを作る事は出来るのです。スタジオで魚住アナウンサーが、これまたチャーハンの達人、青山・ふーみんの斉さんに手伝ってもらい、チャーハン作りに挑戦です。重いフライパンを振りながら、どうにかこうにか出来たチャーハンですが、仕上がりはバッチリ!所さんも大満足の一品でした。
美味しいチャーハンの詳しい作り方はこちら!!
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