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納豆オクラ ネバネバ食品
#596 (2001/09/02)
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オクラ、ヤマイモ、ナメコ、納豆…これらの食品に共通する性質はネバネバすること。そしてこれらのネバネバ食品は、日本人が大好きな食べ物です。
そこでまず、外国の方にネバネバ食品を出してみました。するとものの見事に拒絶されました。次に、ヒトに一番近いサルに、ネバネバ食品を与えてみましたが、サルもネバネバ食品には近づきません。そこでサルのエサをネバネバ食品と混ぜて与えると、サルはエサのネバネバを水で洗い落としてから食べていたんです。しかし、意外なことに外国の料理にもネバネバ食品は使われていました。が、外国の料理の中ではネバネバ食品は粘りを発揮していませんでした。
このネバネバの正体を探るべく矢野さんが奮起。ヤマイモとオクラをそれぞれすりおろして、2つを遠心分離器にかけてネバネバの成分を取り出す事に成功しました。ネバネバの素には2種類の成分が含まれていて、1つはたくさんの糖が結びついた多糖類。もう1つが、糖とタンパク質が結びついた糖タンパク質です。糖タンパク質は加熱処理をすると固まって粘性がなくなってしまうのです。外国の料理に使われているネバネバ食品がネバネバしていないのは、加熱処理をしているからなのです。外国の方は加熱処理をして嫌いなネバネバを取り除いていたのです。
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ネバネバ食品のネバネバは、乾燥から身を守ったり、細菌類の侵入を防ぐバリアーの役割があるのだ!
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ネバネバ食品の中で、一番長く粘る食品は何なのでしょう?ナメコ、オクラ、ヤマイモ、納豆でどれが一番長く糸を引くか実験をしてみました。風の影響を受けない倉庫で、垂直に7.5メートルまである巨代メジャーを準備し、糸を垂直に伸ばしていきます。結果はナメコ1センチ、ヤマイモ7センチ、オクラ11センチでした。いよいよ本命の納豆が登場。実は納豆だけが例外で、ほかのネバネバ食品とは違うネバネバの成分を持っているのです。その秘密が納豆菌に隠されていました。納豆菌は大豆に含まれるタンパク質と糖質を食べて、ポリグルタミン酸という物質を作り出します。これが納豆のネバネバの正体なのです。
さて、話を戻して納豆の糸引き大実験の続きです。これが伸びる、伸びる!どんどん伸びてクレーン車まで出動!ついにメジャーの限界の7.5メートルまで伸びました。天井がもっと高ければ記録はさらに伸びたはず!?
さらにこの納豆、21世紀の地球を救うかもしれないのです!納豆のネバネバの中から納豆ポリマーを作り出す研究が進められています。紙おむつの中に入っている吸水性ポリマーと性質は同じで、わずかな量でたくさんの水分を吸収する事ができるのです。害のない天然素材なので、このポリマーから容器を作ると、自然に分解し、地球に優しい容器になると言われています。
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納豆ポリマーは保水性が高くて、地球の砂漠化を阻止し、その緑化計画にも使われようとしているんだって!
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