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驚き生命力 スミレの花
#626 (2002/04/07)
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宝塚の「すみれの花咲く頃」、岩崎宏美の「すみれ色の涙」、一風堂の「すみれSeptember Love」…新旧問わず歌になぜかよく登場するスミレ。実は今の時期に花を咲かせているのです。しかしスミレってどんな花か、思い出せますか?
矢野さんがスミレを探しに出ました。スミレ、タチスボスミレ、ヒメスミレ、…意外なことにスミレは、東京都内でも結構咲いていたのです。スミレは背丈が15センチほどしかない小さな花。花びらは5枚有り、花の色はやはりすみれ色、紫色でした。
スミレの花びらの後ろに、何やら不思議な袋がぶら下がっています。この名前は“距”(きょ)。スミレの一種のパンジーにもこの距は有るのです。そして距の中にはみつが入っていました。
ハチ(ハナバチ)とハエ(イエバエ)をスミレの花の所に放してみると、ハチはスミレのみつを吸いに来ますが、ハエは寄り付きません。距の長さは8ミリ。これに対しハチの口は10ミリ、ハエの口は2ミリ。つまりハエはみつを吸うことができないので、スミレに近寄らないのです。
スミレの距は、ハチだけを呼び寄せるためのものだったのです。ハチには一定の花にみつを取りに行く、定花性という性質が有ります。これに対し、ハエはいろいろ花に行ってしまいます。小さい花のスミレは、確実に受粉してくれるハチを呼び寄せることで、生存競争に生き残ろうとしているのです。
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スミレの距は、大工さんの使う墨入れと形が似ている。これがスミレという名前の由来らしい!
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スミレの花を見てみてビックリ。なんとつぼみのまま咲かない花が有るのです。これは閉鎖花と呼ばれるもの。なんとこの閉鎖花、咲かずにちゃんと種子を作るのです。その数も咲く花の数倍。こうして確実に種子を作るのです。
さらにスミレはこの種子を飛ばします。そして種子には、エライオソ−ムという脂肪分がおまけとして付いています。するとアリがこのおまけ目当てで種子を更に遠くまで運んでくれるのです。
さらにスミレには、しっかりした根が付いています。この根で、スミレはその株を増やすことができるのです。
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距、閉鎖花、飛ぶ種子、エライオソーム、根…小さい花スミレは、色々な手段で生き延びようとしている!
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新潟の中越地方ではスミレの根が食用になっている地域があります。スタッフが訪れました。そのスミレは、スミレサイシンという種類。まだ花を咲かせていませんでした。根が太いのが特徴。これをすってとろろにして食べるそうです。スタジオで所さんが試食。しかし日にちが経ってしまったせいかエグく、味はイマイチでした。
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