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 科学で簡単!トンカツ  #628 (2002/04/21) 

 最近また人気の高まっている豚肉。実は日本国内でも、年間個人消費量で2位の鶏肉を引き離し、肉類No.1なのです。その豚肉の代表的な料理がトンカツ。実は日本で発明された料理なのです。そのトンカツを今回、科学の目で解き明かし、魚住アナウンサーがおいしいトンカツ作りに挑戦します。

 早速トンカツ作りに挑戦する魚住アナ。料理番組を1年半担当したお陰か、随分腕前も上達!しかし、揚げ上がりはちょっと色が濃くなってしまいました。揚げ過ぎのようです。

トンカツ水分採取実験  そもそも“揚げる”とはいったいどういう調理法なのでしょう?揚げる時に出て来る、あの泡は何物?そこでこの泡(気体)を、特殊な装置を使って集め、冷やしてみました。すると水分になったのです!揚げ物の時に出て来る泡(気体)は、衣の水分が水蒸気になったものだったのです。
 揚げるという調理法は、衣の水分を熱によって蒸発させ、代わりに油を吸収し、しっかりとした衣を作る調理法なのです。こうすることで、素材のうまみを閉じ込めるのです。中の豚肉は蒸し焼き状態。いったい何度まで上がるのでしょう?そこで温度計を豚肉中央に差込み、プロの方に揚げてもらいました。するとその温度は、なんと最高約70度。170度の温度の油で揚げたにも関わらず、です。これ以上の温度になると、豚肉が縮みうまみも抜けてしまうのでした。

所さんのポイント
トンカツの豚肉は衣に包まれ蒸し焼き状態。内部温度もなんと約70度までしか上がらない!

魚住アナの作ったロースカツ  揚げ上がりのタイミングはいったいどこなのでしょう?魚住アナは東京浅草のトンカツの名店、“すぎ田”さんにお邪魔することにしました。そこでご主人曰く「揚げる時の音にタイミングのヒント有り」100グラム肉のトンカツで、4分くらいが上げ頃ですが、この時、音がそれまでのシュワーッとした音から、パリパリという聞き取り易い音に変わっているのです。これは衣の水分が少なくなり、出る泡が少なく大きくなったため。そしてこの音を分析すると、その主な音は4キロヘルツのもの。この音は、人間が聞き取りやすい高さの音なのです。
 音が大きく聞き取りやすくなったら上がり。このタイミングも分かった魚住アナが、スタジオでトンカツ作りに再挑戦。結果は所さんもうなるほど、大成功でした。

 トンカツで気になる脂身。あんなもの、無い方が健康的でいいような気がしませんか?そこでこんな実験。牛肉の脂身を取ったものに豚肉の脂身を着けたものをカツにして、町行く人に食べてもらいました。するとなんと30人中28人が、それをトンカツと勘違いしたのです。スタジオでは所さんも、見事だまされました!

所さんのポイント
豚肉の風味は脂身に含まれている!調理をする時は脂身を取らないように!


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