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謎 オオサンショウウオ
#632 (2002/05/19)
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最近ちょっと変わった盗難事件が有りました。なんとオオサンショウウオが盗まれたというのです。実はオーストラリアからコアラを貰った時、日本が替わりに贈ったのもこのオオサンショウウオ。日本を代表する動物の1つなのです。
しかしこのオオサンショウウオっていったいどんな生物なのでしょう。魚?トカゲ? 特別天然記念物にも指定されているこの不思議な生物、実は3000万年前からほとんど姿形を変えていない、まさに生きた化石なのです。
矢野さんは兵庫県に天然のオオサンショウウオを探しに行きました。専門家の方が同行。これならば調査のための捕獲が認められるのです。川に着いて専門家の方が取り出したのは、なんと釣りざお。オオサンショウウオを釣ってしまうというのです。エサはイカ。待つこと1時間、見事オオサンショウウオが釣れました。オオサンショウウオの体内には、固体識別のための体内標識も埋めてあったんです。
オオサンショウウオの卵は、ゼリー状の物に包まれ、数珠つなぎになっていました。そこからふ化したのは、おたまじゃくしによく似た幼生。そう、オオサンショウウオはカエルの仲間、両生類だったのです。
そこで、両生類のオオサンショウウオとイモリと、は虫類のカメとで、水中息止めガマン大会をしました。30分の間に、どれだけの長さ息継ぎをするか。すると、イモリ20分47秒、カメ9分38秒に対して、オオサンショウウオはたったの1分3秒。ぶっちぎりの1位だったのです。オオサンショウウオは皮膚呼吸を活発に行っているので、水中に長くいられるのです。
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オオサンショウウオは両生類。その中でも皮膚呼吸のお陰でかなり水中に長くいられる方だった!
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オオサンショウウオは大きくなると、ほとんど目が見えなくなってしまうのです。そんなオオサンショウウオのエサ捕獲の手がかりは匂い。ごく鼻先の近くにエサの魚が来ないと、食べることが出来ないのです。しかしそのエサを吸い込む速さ、パワーはかなりのもの。しかもくわえたエサは強靭なあごで絶対に放しません。
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しかしながら、鼻先にエサが来ないと獲れないので、しばしば絶食を強いられることになります。そんな時のために、オオサンショウウオの体内には驚異の備蓄倉庫が有ったのです。オオサンショウウオをCTスキャンにかけると、なんと尾のあたりは脂肪だらけ。オオサンショウウオはしっぽに脂肪をため、エサが獲れない時の栄養としていたのです。
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尾にためられた脂肪分のお陰で、オオサンショウウオは2週間絶食しても大丈夫!
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