知識の宝庫!目がテン!ライブラリー




 涼しくなるお化け屋敷  #638 (2002/06/30) 

 夏はすぐそこに迫ってきています。夏の風物詩の一つといえば、お化け屋敷。遊園地やデパートでお馴染みですね。しかしなぜお化け屋敷は夏なのでしょう?“納涼”なんて言いますが、恐いとヒトは本当に涼しくなるのでしょうか?

 矢野さんは、歩行距離500メートルが世界最長でギネスブックにも載っている、富士急ハイランドのお化け屋敷“戦慄迷宮”に入りました。思わず素で絶叫してしまう矢野さん。しかし出てきた矢野さんはうっすらと汗をかいていました。これでは納涼にならないのではないでしょうか?

実験  お化け屋敷は恐怖(こわさ)と驚愕(おどろき)の2つの要素で人を涼しくしています
 まずは恐怖、怖いというヒトの感情ですが、こんな実験をしてみました。5歳、2歳、1歳の兄妹に部屋に母親といてもらい、その部屋を暗くしてみます。そして怖い仮面をかぶった番組スタッフが近づくと、5歳と2歳の男の子は怖がったのですが、1歳の女の子はキョトン。このことからも分かるように、恐怖とは後天的、学習する感情なのです

 魚住アナも女性2名と、池袋ナンジャタウンのお化け屋敷に入りました。入場前と出てきた後の体の変化を測定するためです。測ったのは、体温、心拍数、そして血液検査。すると女性2名は、体温がそれぞれ0.4度、0.8度も上昇心拍数も増えていたのです。そして血液検査では、ノルアドレナリンという物質が増えていました。この物質は、スポーツの競技前などにも増える物質で、体温、心拍数を上げて臨戦態勢を作り出すものだったのです。

 さらに女性2名に、今度はマイナス12度の冷凍室に入って頂きました。そして体温、心拍数、そしてノルアドレナリンの量を測った所、まったくお化け屋敷と全く同じ現象が起こりました
 怖い時や、寒い時、ヒトは体温を上げ、危機に備えます。しかしこの時、体の表面はまだ温度が上がってないので寒く感じるのです。風邪の引き始めの悪寒も同じことだったんですね。

所さんのポイント
恐怖に出会うと、ヒトは体温を上げる。この時体表面はまだ冷えているので、涼しく感じるのだ!

血流量 グラフ  お化け屋敷のもう一つの特徴、驚愕。驚いた時に、鳥肌が立ちますね。これも寒くなったからなのでしょうか?そこでディレクターが自ら犠牲になって、大きな風船を破裂するまで膨らまして、その時ヒトの体にどんな変化が出るのかを見てみました。すると破裂の瞬間、手の表面温度が急激に下がったのです。血流量を見ても破裂の瞬間、血流量が急激に下がっていたのです。このため涼しくなり、鳥肌が立っていたのですね。お化け屋敷が涼しくなるのは本当だったのです!

所さんのポイント
驚いた時、本当に血の気は引いた!


人間科学編へ物・その他編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧