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日本で発見 サソリの謎
#640 (2002/07/14)
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ある日、矢野左衛門は怖い夢を見ました。なんと枕元にサソリが出てきたのです。これは一大事!矢野左衛門は立ち上がりました。「サソリに遭った時にどうすればいいか調べなくては!」。杞憂かとも思いましたが、調べていく内、なんと日本にもサソリが生息していることも明らかになったのです。よく映画にも出てくる、毒を持った怖い生物サソリ、出遭ってしまった時にどうすればいいのでしょう?これで備えはバッチリ!?です。
日本でサソリの生息している地域、それは沖縄、八重山諸島でした。矢野左衛門は姑息にも身代わりとして昨年秋の「大阪うどん」にも登場した子分・右の助を派遣しました。向かったのはリゾートしてもお馴染みの宮古島。林の中の枯れ木にサソリが潜んでいるといいます。「痛ぇっ!」。突然声を上げた右の助。その枯れ木を割ると、見事体長3センチのヤエヤマサソリに出遭いました。日本にはこのサソリと、やはり八重山諸島と小笠原諸島に生息するマダラサソリの2種だけが生息しているのでした。ちなみにヤエヤマサソリの毒はミツバチ程度。右の助、一命は取りとめました。
サソリと言えばやはり毒。しかしサソリ自身はこの毒で死なないのでしょうか?そこでサソリに、薄めた自らの毒を刺してみました。するとサソリは動かなくなってしまったのです。サソリは毒腺という袋に毒を閉じ込めているので、普段は自らの毒で死ぬことはないのです。
そしてこの毒は、実はエサを食べるために必要なのでした。サソリは肉食で小昆虫等を食べるのですが、消化管が細いため細かく切って食べなくてはなりません。なのでエサを切り刻める様、エサを毒でまひさせて動かなくしてしまうのです。
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サソリの毒はエサをまひさせ、切り刻んで食べるためのものだった!
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映画などでよく出てきますが、サソリに出会った時には動かないのが鉄則のようです。本当なのでしょうか?そこで矢野左衛門…ではなく、サソリの専門家が体を張って実験です。なんと自らサソリにいるアクリルケースに顔を突っ込み安全を証明しようというのです。用意したのはデスストーカーという、毒に人の殺傷能力が有る殺人サソリ。万が一に備えて毒消しもスタンバイしました。実験開始!いきなりすばやく先生の顔に近づくサソリ!しかし刺しませんでした。動かなければ刺さないという鉄則は正しかったのです。
なぜなのでしょう?そこでサソリに死んだコオロギを与えてみました。すると食べようとしません。これが生きたコオロギだと、さっさ食べてしまいました。サソリの腹には櫛状板(くしじょうばん)という感覚器があり、これで虫の起こす振動などを感知していたのです。サソリは目は余りよくないのでした。
矢野左衛門は更に仰天情報を入手。なんとサソリが光るというのです。それも蛍光物質を光らせるブラックライト(紫外線ライト)を当てると。確かに光りました。これは表皮にあるβ―カルボリンという物質が光るため。
しかしなぜ光るのでしょう?一説には仲間を見分けるためとも言われています。そこでこのβ―カルボリンを、コオロギに塗ってみました。するとサソリは捕まえこそしても、食べようとはしなかったのです。やっぱり仲間と思ってしまった!?しかし夜行性のサソリが活動する夜には、サソリが光るための紫外線も全く有りません。謎は深まるばかりです。
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