|
挑戦富士山登山の科学
#652 (2002/10/13)
|
|
スポーツの秋、行楽の秋が到来!そこで今回の「目がテン!」は登山を科学します。なんと矢野さんが富士山登山に挑戦!いっこうにやせようとしない矢野さんに所さんが「富士山にでも登ってやせなさい!」と命令を下したためでした。はたして矢野さんはやせられるのでしょうか?
登山の基本を学ぶため、矢野さんは日本有数の山岳部、明治大学山岳部に体験入部しました。早速訓練開始。まずは10キロ(山岳部員は15キロ)のリュックを背負って、大学の近くの傾斜15度、長さ40mの坂道の上り下りに挑戦しました。一見、楽そうだったんですが、矢野さんはあえなく脱落。「歩き方に問題が有ります」と顧問の先生。実は登山は歩き方でかなり疲れ具合が違うというのです。矢野さんは坂なのでついついつま先が先に着き、つま先立ちのような歩き方になってしまったのですが、山岳部員はかかとから足が地に付いていたのです。この“ベタベタ歩き”こそが疲れない歩き方なのです!
本当なのでしょうか?そこでまずは、ももとふくらはぎの表裏の筋肉にセンサーを着け、つま先立ち歩きとベタベタ歩きでそれぞれ筋電図を取ってみました。するとつま先立ち歩きがふくらはぎの筋肉しか使っていないのに対し、ベタベタ歩きは足の筋肉全体を使っていたのです。さらに足の裏にかかる圧力も測定した所、ベタベタ歩きが足の裏全体を使うので体重と全く同じなのに対し、つま先立ちは足の裏の一部しか使わないので、なんと体重の1.5倍の圧力がかかってしまったのです。
|
かかとから着地して歩く“ベタベタ歩き”こそが疲れない登山の歩き方!
|
|
|
山登りの時、みんなで歌を歌ったこと有りますか?実はこれ、疲れない山登りに効果が有るというのです。話しながら登るだけでもずいぶん違うとか。
そこで学生さんに、無言と話しながらとで、100回もも上げをしてもたい、その時の肺の様子を撮影してみました。すると話しながらの方が肺が大きく広がったのです。これは話すことによって、胸式呼吸が腹式呼吸になるため。酸素摂取量を測定した所、やはり話しながらの方が1.5倍になったのです。
|
歌を歌ったり話しながら登山をしよう!腹式呼吸になるよ。
|
|
|
いよいよ矢野さんが富士山登頂に挑戦です。朝から夕方まで、日の有る内に登ってしまおうという計画です。登山前、矢野さんの体重は92.5キロ。いつのまにか増えていました。午前8時、登山の専門家の方にもご同行頂き、登頂開始です。
しかし登山にはまだまだ必要な知識が有りました。まずは目線の置き方。ついつい下を見がちですが、必ず前方を見るようにしましょう。山では落石などもあるので、下を見ての登山は危険なのです。さらには水分補充の仕方。登山では水分がかなり失われます。30分ごとに、100ミリリットルほどの吸水を心がけてください。
登山開始から7時間。ようやく9合目に到着です。しかしこのままでは下山までに暗くなるからと専門家の判断もあり登頂を断念。理由は担当ディレクターの異常に遅い登山。矢野さん無念の登頂断念でした。
しかし下山後体重を測った所、90.8キロ。見事11時間の登山で1.7キロのダイエットに成功しました(元に戻っただけですが…)
|
|
|