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 嫌いを直せ!ピーマン  #651 (2002/10/06) 

 特に子供に人気の無い野菜、ピーマン。ある調査でも、全ての食べ物の中で、子供の嫌いな食べ物ナンバーワンだったのです。何とかこのピーマンを、科学の力で、子供に食べてもらえるよう改造は出来ないものでしょうか。長男雷己君もピーマンを食べず悩んでいる矢野さんが立ち上がりました。

 ピーマンを子供が嫌いな理由、その大きな2つは“苦さ”“臭い”でした。この2点を解消すれば子供たちもピーマンが食べられるようになるはず。そこで矢野さんが向かったのが中華料理店。中華料理にはピーマンが多く使われているのです。ここにピーマン克服のヒントも有るはず。
 すると中華料理店では、ピーマンを必ず横に切っていました。横に切った方が臭いが出て、ピーマンの風味も強くなるというのです。そこで縦と横に切ったピーマンとで、臭いの強さをニオイセンサーで測ってみました。すると縦切りが28という値だったのに対し、横切りは61!これはピーマンの細胞が縦長で整然と並んでいるため。ピーマンは縦に切った方が細胞を傷つけず、臭わないのです。

 臭いはどうやら克服できそうですが、苦みはどうでしょう?中華料理に限らず、ピーマンは多くの場合、油で加熱調理されています。ここに苦みを克服するヒントが有ったのです。ピーマンの苦みの正体はアルカロイドの一種で、油に溶ける性質(油溶性)があるのです。
 中華料理店では、ピーマンをさっと油に通す、油通しというウラ技が有りました。油通ししたピーマンのアルカロイドの量を測ったらなんと70%減!効果てきめんです。

ピーマン食べるウコッケイ二羽
 こんなに苦いピーマン、はたして動物は食べるのでしょうか?矢野さんが調査に乗り出しました。するとウサギ、キリン、ゾウなどのほ乳類は全く食べませんでした。しかし鳥類(ウコッケイ、シチメンチョウ、セイケイほか)は、ピーマンを食べたのです。鳥は苦みや辛みには鈍感な生物。なのでピーマンを食べられるのです。


所さんのポイント
ピーマンは鳥に食べられ、ふんであちこちに種子をまかれることで増えるのだ!

五角形と六角形のへたのピーマン  皆さん、知っていましたか?街中に有るピーマンにも苦いものとあまり苦くないものが有るのを。なんとへたが5角形と6角形のものが有り、6角形のものの方が苦くないのです。
 「目がテン!」では5角形のものと6角形のものをそれぞれ50個ずつ揃え、その糖度を比較してみました。すると5角形が平均2.8だったのに対し、6角形は4.3にもなったのです!これは、栄養をいっぱい貰ったものが花びらも6つになり、へたも6つになるため、と考えられています。6角形のピーマンはスーパーや八百屋さんの店頭で簡単に見つかります。

所さんのポイント
ピーマンを苦手な子にも食べさせる三箇条!(1)縦に切れ、(2)油通しせよ、(3)へたが6角形のものを使おう!

 「目がテン!」が見つけた、ピーマンをおいしく食べる三箇条。この方法で調理したピーマンを、筋金入りのピーマン嫌いの12人の保育園児に食べさせてみましたすると見事、8人の子が口にしてくれたのです。反応も「おいしい!」作戦大成功でした!

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