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切れ味復活包丁の科学
#655 (2002/11/03)
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11月3日は文化の日。ということで今回は文化包丁を科学します。料理の腕が上がったと自負する魚住アナがマグロのお刺身に挑戦しました。しかしどうも出来栄えが良くありません。どうも包丁の切れ味が良くないようなのです。いったいどうすれば包丁の切れ味はよくなるのでしょう?
文化包丁には鉄製のものと、ステンレス製のものが有ります。このうち鉄製のものは、まだ手作りのものがあるそうです。そこで矢野さんが鉄製包丁の手作りの現場にうかがいました。作るのは70歳台の兄弟お2人です。
するとお2人は、いきなり熱い鉄を割ったかと思うと、もう1種類の鉄をそこにはさみ込んだのです。最初に有ったのは軟鉄、そしてはさまれたのは鋼(はがね)だったのです。鋼の方が軟鉄より硬いのですが、これは含まれる炭素量の差によります。硬い鋼が、刃の部分に使われているのです。軟鉄だけでは曲がってしまいますし、鋼だけではポキっと折れてしまうのです。
包丁はなぜ切れなくなるのでしょう?一説にはまな板に当たるからと言われているのですが本当でしょうか?そこで矢野さんが、なんと大根を10,000回切る実験に挑戦です。かかった時間は実に7時間。しかし刃先に全く変化は有りませんでした。まな板は包丁を切れなくするものではないようです。
それではなぜ包丁は切れなくなるのでしょう?そこで「目がテン!」では1週間、主婦歴30年のベテラン主婦に新品の包丁を預け、その様子をカメラに収めました。1週間後、案の定刃はボロボロ。包丁の研究家に見て頂いたところ、包丁が欠けたのは、魚の骨を切った時と、そして半解凍の肉を切った時でした。とくに後者が要注意。スタジオにマイナス30度に冷やした包丁が登場し、カボチャを切ってみたのですが、刃先はボロボロになってしまいました。
包丁を再び切れるようにするにはどうしたらいいのでしょう?やはり研ぐしかないのでしょうか?その通り、砥石(といし)に勝る方法は無いのです。なぜ砥石は最高の包丁蘇生法なのでしょう?そこで刃先を大きく拡大してみた所、細かいギザギザが有りました。これがポイント。このギザギザが切る対象物へきっかけとして食い込むことで、物はよく切れるのです。
しかし砥石で研ぐのは難しい、とおっしゃるかたも多いはず。そこで「目がテン!」が砥石で研ぐよりも簡単な、包丁研ぎのウラ技をお教えします!それは、簡易研ぎ機で研いだ包丁に、240番のサンドペーパーを刃に縦方向に10回ほどあてるだけ。これだけで刃先には無数のギザギザが出来、包丁はグッと切れやすくなります。でも、2〜3日に一度、繰り返してくださいね。
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