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 マツタケ料理の科学  #656 (2002/11/10) 

 秋の味覚の代表格、そしてキノコの王様といっても過言ではないマツタケ。しかし国産のマツタケは本当に高く、庶民にとっては高嶺の花です。なぜマツタケはこんなに高いのか?その理由を肥り過ぎの矢野さんに代わって魚住アナウンサーが、本場京都に取材に行きました。

 マツタケはなぜ高いのか?それはマツタケが、いまだに天然ものオンリー、人工栽培が全く出来ないためなのです。しかしなぜマツタケは人工栽培出来ないのでしょう?

 キノコは大きく、菌根菌と腐朽菌に分かれます腐朽菌は主に死んだ木に付き、栄養を一方的に吸収するもの。これに対し菌根菌は生きた木に付いて相互に栄養などのやり取りをするもの。マツタケは菌根菌。菌根菌の方が、生きた木を相手にするだけになかなか定着しないのです。
 マツタケはアカマツに付くのですが、アカマツには他にも付くキノコ(アミタケ、オウギダケ、ヌメリイグチ)がいて、それらに比べるとマツタケはアカマツにとってもうまみが少ないので、なかなか付けないのです。さらに付いてもマツタケが出来るまで5年!これがマツタケが希少で高い理由なのです。

所さんのポイント
マツタケは菌根菌で、生きたアカマツにしか付かず、しかもライバル多数!なのでなかなか育たなく、高いのだ!

マツタケ  魚住アナは、京都は丹波の山で天然マツタケ狩りに挑戦しました。なぜここが有数の産地なのでしょう?それはアカマツが貧しい土地にしか生えないから。京都はかつての都だったので、山が頻繁に切り開かれていました。なので枯れ山にアカマツが多く生えていたのです。
 魚住アナは30本もの天然マツタケを手にしました。そして、本来の姿のマツタケ土瓶蒸しをいただきました。なんとマツタケをまるごと1本切り刻んで、土瓶に少量の塩と酒と一緒に入れて蒸すだけなのです。新鮮なマツタケなので、これだけで濃い茶色の汁が出てきました。かなり濃厚な味のようです。

エリンギマツタケご飯  「匂いマツタケ、味シメジ」と言うように、マツタケの一番の特徴はその匂い。実は外国の方々には決して人気の無いこの匂い、なぜ日本人は好きなのでしょう?調べてみるとその成分はマツタケオール(1オクテン3オール)とメチルシンナメートでした。
 そして驚いたことに、前者の匂いが、熱した枝豆にも含まれるというのです。そこで「目がテン!」は、枝豆とエリンギでマツタケごはん作りに乗り出しました。エリンギの炊き込み御飯に、最後につぶした枝豆を加えただけ。スタジオで所さんが試食。それらしい匂いはしたとのことです。

所さんのポイント
マツタケオールは、味噌やしょう油といった日本の食卓に欠かせない大豆食品にも含まれていた。これが日本人が好きな理由!

 最近流通している海外産のマツタケ。しかし残念ながら香りでは国産のものにかないません。しかしこれがちょっとした工夫で、国産に負けない香りを出すというのです。そのウラ技を編み出して頂いたのが、京都老舗料亭の料理人の方
 これまた方法は簡単。クッキングペーパーでマツタケを包み、湿り気を与え、ホットプレートの上で蒸し焼きにするだけ。こうすれば香りが逃げないというわけ。これも所さんが試食。結構満足行くものだったようです。

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