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血がキレイ!?腎臓の謎
#710 (2003/12/07)
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人間ドックに入った矢野さん、尿検査をした所、なんと腎臓に軽度の問題があり、再検査を言い渡されてしまいました。しかしいったい腎臓ってどんな臓器なのでしょう?“肝腎”という言葉もある通り、肝臓と並んで重要な臓器とされる腎臓、実は、食べ物によっても痛む、結構デリケートな臓器だったのです。
腎臓は尿を作る臓器として知られていますが、いったいどのようにして尿を作るのでしょう?それはろ過と再吸収という2つの過程を必要とするのです。
ろ過は、腎臓に流れ込んできた血液を、糸球体という器官のフィルターでこす作業。血球やタンパク質などの大きなものは血液に残し、尿素やナトリウム、カリウムなどの小さいものをこし出すのです。
腎不全の患者の方がお世話になっているのが、人工透析機という機械。この機械、実はこのろ過の作業を行っているのです。許可を戴き、しょう油を透析してみました。すると色も薄くなり、まるでしょっぱくない液体になってしまいました。ナトリウムなどがこし出されたためなのです。
しかし腎臓にはもう一つ、再吸収というメカニズムがあります。こし出してしまったものの内、ナトリウムやカリウムは体に必要なものなので、尿細管という所で再吸収するのです。このメカニズムは実はいまだ人工的に再現できていません。人工透析機も、腎臓の半分の役割を再現したに過ぎないのです。
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腎臓のろ過と再吸収という2つの役割の内、人間が再現できたのは前者だけ。なので腎臓は貴重な臓器なのだ!
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尿検査で測定されるものの1つが、尿タンパク。実は今回矢野さんも出てしまったのですが、いったいなぜこの量を測るかというと、本来タンパク質は大きいので糸球体のフィルターの目を通らないため、タンパク質が通っているということは、糸球体のフィルターの目が粗くなっているということだからです。
そして尿たん白が出てしまう1つの理由が、塩分の摂り過ぎ。個人差はありますが、塩分を多く摂ると、水分も多く摂るため血圧が上がり、これが糸球体のフィルターの目により圧力をかけるため、目が粗くなってしまうというのです。日本人は一般的に塩分摂取量が多め。要注意です。
腎臓にはもう一つ大きな役割がありました。それは血液のph値を一定に保つ働きなのです。矢野さん、ディレクター、ADの3人の尿と血液のphを測定してみた所、尿は、5.5、6.0、7.5とバラバラだったのに対し、血液は、7.45、7.39、7.39とほとんど一定だったのです。
血液のph値は、常に食べ物によって左右される危険性が有ります。酸性食品は、肉、魚、米、そしてアルカリ性食品は野菜、果物、海藻。この両方をバランス良く摂らないと、腎臓は血液のphを一定に保つため、酸性もしくはアルカリ性の尿を排出しなくてはならないのです。これは腎臓に結構な負担となります。
番組では3人の学生に、2日間ずっとアルカリ性食品のみを取ってもらいました。結果2人の尿は5.2→7.2、5.6→7.0と中性に戻ったのです。食品のバランスが、腎臓に負担をかけない1つのポイントだったのです。
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腎臓は血液をキレイにし、またそのph値を一定に保つ重要な臓器だった!
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