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プラズマ&液晶テレビ
#715 (2004/01/18)
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昨年末から急激に売り上げを伸ばしているのが、プラズマと液晶の薄型テレビ。昨年12月にスタートした地上波デジタル放送がその引き金になったようです。しかしこの2つのテレビ、なぜあんなに薄いのでしょう?そしてこの2つのテレビの長短所とは?科学の素浪人矢野左衛門が解明に乗り出しました。
まずはプラズマテレビの謎を探りに、工場を訪れました。そこでプラズマテレビを分解。するとそこにはブラウン管が無く、あるのは2枚の薄いガラス板を張りあわせたもの。この2枚をはがしてみると、そこには白い粉が吹き付けられていたのです。
実はこの白い粉は蛍光体というもので3種類あり、紫外線を当てると赤緑青の3色にそれぞれ光ります。実は2枚のガラスには300万個の仕切りがあり、それぞれにこの蛍光体があり、この中に電気を通すとプラズマ放電が起き、紫外線が発生し、蛍光体が光るのです。そしてこの赤緑青の組み合わせで様々な色を表現するのです。全色光ると白い色になります。紫外線が蛍光体を光らせるのは、蛍光灯と同じ仕組み。つまり、…
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プラズマテレビは300万個の赤緑青の蛍光灯が集まったようなものなのだ!
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そこで矢野左衛門は手作りプラズマテレビに挑戦。36本の蛍光灯にそれぞれ赤緑青のセロファンを張り完成。全色の蛍光灯を点けて100メートル先から見ると、確かに白く見えました。
今度は液晶テレビの番です。矢野左衛門は液晶のメーカーを訪れました。液晶とは名前のように液状の物で、普段は白く濁っています。ところがこれに熱や電気を加えると、なんと透明になりました。これは液晶がエネルギーが加わると分子構造が変わるためなのです。
この液晶が、テレビにどのように使われているのでしょう?液晶テレビを分解すると、なんとそこに何本ものバックライトが現れたのです。ブラウン管にもプラズマにもこのライトはありませんでした。液晶は2枚のガラスに挟まれ、その小部屋はプラズマと同様無数にあり、そしてそれぞれの小部屋に赤緑青のカラーフィルターが対応しています。そしてガラスの両側には、偏光板という物があり、これは水晶に電気が通っていない時に光を通し、電気が通っている時に光を通さない性質があります。そして液晶に電気を通したり通さなかったりすることで、バックライトの光が、赤緑青に点滅し、テレビの画像を作るというわけなのです。
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液晶テレビは、バックライトの光を、液晶が通すか通さないかで赤緑青が光り、映るテレビだった!
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プラズマテレビも液晶テレビにも、ちょっとしたウイークポイントが有ります。プラズマテレビと液晶テレビに白い画像を流し続けると、みるみるプラズマテレビの表面温度が上がりました。プラズマテレビは蛍光灯の様なものなので、熱を持ってしまうのです。このため冷却ファンが付いている物が多いのです。
今度は液晶テレビに、黒字に白い丸が速く動く映像を映すと、白い丸の淵がにじみ始めました。液晶の動きは、速い動きにはまだ対応し切れないのです。液晶テレビは速い動きがちょっと苦手なのです。
しかしプラズマも液晶も、このウイークポイントの克服に向け進歩を続けています。今後どんどん、ウイークポイントを克服したいい物が出てくるでしょう。
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