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子育て体験日本のツル
#717 (2004/02/01)
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冬を代表する鳥の1つがツル。特にタンチョウは古くから日本を代表する鳥として知られています。一見優雅に見えるツルですが、実は意外な一面も持っていたのです。
ツルは雑食の鳥。水中のドジョウもくちばしで上手にキャッチ、そして土中のミミズはくちばしで掘ってゲット。この器用なくちばしこそ、つるはしの語源なのです。
そしてツルといえばやはり渡り鳥であるということ。北海道にいるタンチョウは北海道の中を行き来しているだけですが、ツルによってはなんとヒマラヤを越える種もあります。
そしてその時特徴的なのが、V字に飛ぶということ。なかなか優雅なこのV字飛行なのですが、実は省エネになるというのです。本当でしょうか?そこでガソリンで動くパラグライダー3機でV字に飛んでみました。すると20分間の飛行で、前の1機が2.3リットルのガソリンを使ったのに対し、後ろの2機はそれぞれ1.8、1.9リットルのガソリンしか使っていなかったのです。
これは先頭の鳥が飛ぶと、翼の先端に翼端渦(よくたんうず)という気流が出来、これに後ろの鳥の翼の片方が乗り上昇させられるためなのです。1羽大変な先端の鳥は随時交代するそうです。
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ツルを始めとする渡り鳥のV字飛行は、翼端渦のお陰で省エネになっていた!
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タンチョウは立った時の高さ150cm、体重10キロと結構巨大な鳥。そして結構戦闘的な鳥でもあるのです。ワシタカやキツネなどの天敵に立ち向かう時、なんと突っつきや蹴りで応戦するのです。
そして眠る時も、ツルは天敵対策を抜かりません。眠る場所は川の中。これで天敵が地上から来られないというわけ。集団で眠る時も、何羽かは起きて見張り役。ワシが飛んできたら見張りが集団全員を起こしました。見事な天敵対策です。
「ツルの一声」という言葉がありますね。実際ツルの鳴き声はとても大きいのです。なんと8メートル離れた所で100デシベル。これはクルマのクラクションよりも大きく、電車のガード下並みでした。ツルはつがいになって繁殖する時、なんと半径1.5キロの縄張りを持つのです。なので縄張りを誇示するため、大きな声をしているのです。
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“ツルの一声”といわれる大きな鳴き声は、半径1.5キロもある繁殖時の縄張りを示すためのものだった!
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矢野さんは、親とはぐれたツルのヒナの飼育を行っている、岡山県の自然保護センターを訪ねました。すると矢野さんは、なんとツルの全身コスチュームを着させられたのです。これはツルのひなが、最初に見たものを親と思ってしまうため。いわゆる“すりこみ”ですが、ツルが自らをヒトと勘違いすると繁殖出来なくなるので、このようなコスチュームが必要なのです。コスチューム飼育されたタンチョウのひなは、ちゃんと繁殖が出来るのです。ツルの親代わりになれた矢野さんも大喜びでした。
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