知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


物忘れする? ミョウガ
第787回 2005年6月26日


 梅雨が明ければ夏。夏はミョウガの季節でもあります。冷奴にそうめん、刺身のつまなど日本の夏には欠かせません。しかし最近の若者はミョウガを知らないか、もしくは苦手。そこで今回、目がテンがミョウガをメジャーにすべく立ち上がりました。

ミョウガの全体図CG  そもそも私たちが食べているお馴染みの赤いミョウガとは、一体何なのでしょう?そこで矢野さんが収穫期のミョウガ畑に行って見ると、ミョウガの葉は生い茂っているものの、赤いミョウガが見当たりません。
 なんと、赤いミョウガは地面すれすれに生えていたのです。しかも驚くべきことに、農家の方に伺うと、この部分はミョウガの花だというのです。ミョウガは地下に地下茎を持っていて、そこから葉の部分と花の部分が別々に地上に出てきます。私たちが食べている部分が花で、葉と茎に見える部分が偽茎と呼ばれる葉の部分なのです。

ミョウガの花  また、ミョウガの花はちょっと不思議な咲き方をします。ミョウガの花は白く、我々の食べるあの赤い部分の先から出て来るのですが、1日も経たない内に枯れてしまいます。ところが、次の日にはまた新しい花が出て来るのです。実はミョウガは、タマネギのように1枚1枚はぐことが出来て、その分解できる一枚一枚がミョウガの花なのです。つまり、私たちが食べていたあの赤いミョウガは、咲く前の花の集まりだったのです。

所さんのポイント
ポイント1
私たちが食べているミョウガは、花になる部分の集まりで、地面すれすれに生えていた!

 「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」という言い伝え、皆さんも聞いたことありますよね。果たして、本当なのでしょうか?そこで、目がテン恒例、体をはった大実験!ミョウガの言い伝えを知らない若者たちにミョウガを食べてもらい、記憶力テストを行いました
 すると結果は、ミョウガを食べても記憶力テストの点数が悪くなることはありませんでした。それどころか、なんとテストの点数が良くなった場合もあったのです。
 そこでミョウガを食べて記憶力テストを行っているときの脳を調べて見ると、記憶や集中力をつかさどる前頭前野という部分が普段よりも活発に働いていたのです。専門家によると、ミョウガに含まれる辛味成分などが、脳に刺激を与えている可能性があるということでした。
 では、なぜ「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」という迷信ができたのでしょう?その理由は、物忘れが激しかった昔のお坊さんのお墓からミョウガが生えてきたという説と、ミョウガは刺激が強い薬味なので子供にあまり食べさせないように親が言い出したという2つの説があるそうです。

所さんのポイント
ポイント2
ミョウガを食べてもすぐに物忘れがひどくなることはなかった。むしろ、ミョウガの辛味成分が脳に良い刺激を与えるかも!?

 実はミョウガはショウガ科ショウガ属の植物でショウガの仲間だったのです。しかし、ショウガはショウガ焼きや煮物、ジンジャーエールにまで使われているのに、ミョウガは料理のレパートリーが少ないですよね。
 そこで、ショウガをミョウガに置き換えたらどうなるか大実験!「豚肉のミョウガ焼き」と「ミョウガエール」を作って、実際にお店で出してみました。しかしお客さんに感想を聞いてみると、ミョウガと気づかないほど香りや味が薄いというのです。作り方や分量は同じなのに、一体なぜでしょう。
 実は、ショウガの香りは加熱しても減らないのに対して、ミョウガの香り成分は、加熱するとすごく減ってしまうのです。一般的に、物質は分子量が大きければ大きいほど沸点が高く、蒸発しにくいことがわかっています。実は、ショウガの香り成分の分子量は大きく、ミョウガの香り成分は小さいのです。そういうわけで、ミョウガの香りは飛びやすく、ショウガの香りは飛びにくかったのです。つまりミョウガの特徴である香りを楽しむにはあまり熱を通してはいけないため、ミョウガは料理のレパートリーが少なかったのです。
 というわけで、目がテンではミョウガの特徴を活かした新料理として、加熱する必要が無いミョウガアイスを開発しました。そして、スタジオで所さんに食べて頂いたところ、サッパリして美味しいと好評でした。



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