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沖縄の絶品夏 マンゴー
第788回 2005年7月3日


 暑い夏に美味しいものといえばトロピカルフルーツ。その中でも、年々輸入量が増え、今大人気なのがマンゴーなのです。最近では、ジュース、アイスクリーム、お菓子にドライフルーツと身近になってきましたよね。今回は、お中元にもオススメ、マンゴーを徹底科学しました。

 実は、デパートなどで売られているマンゴーを見てみると、外国産のマンゴーに比べて、国産のマンゴーの方が遥かに値段が高いのです。一体、なぜでしょう?
 そこで、日本でマンゴーの生産量第1位の沖縄に、矢野さんがマンゴー栽培を見に行くことにしました。すると、沖縄で目にしたマンゴーの木には、なんと一つも実がついていなかったのです。出荷の最盛期なのに、一体どういうことでしょう?
ビニールハウスのマンゴーの木  実は、出荷用のマンゴーはビニールハウスの中で育てられているというのです。しかし、マンゴーは大きくなると10mにもなる大きな木。一体どうやってハウスの中で栽培しているのかと思いきや、ヒモでくくったり、伸びた枝を切り落としたりして育てられていたのです。ハウスの中のマンゴーの木は矢野さんの背丈くらいに小さい木でしたが、ちゃんと実をつけていました。
 しかし、沖縄で栽培されている品種のマンゴーは台湾でも栽培されているのですが、台湾ではハウスではなく大きな農園で露地栽培をしています。なぜ沖縄では、わざわざ手間ひまかけてハウス栽培をしているのでしょう?
 その理由は、雨に濡らさないため。実はマンゴーの花粉は水に弱く、花が咲く時期に雨が降ってしまうと、実をつけるための受粉ができなくなってしまうのです。そのため、雨がよく降る日本では雨よけとしてビニールハウスが必要なのです。一方、フィリピンや台湾には雨季と乾季があり、マンゴーは乾季のうちに花が咲いて受粉してしまうので露地栽培でも大丈夫だったのです。

所さんのポイント
ポイント1
国産マンゴーが高いのは、雨にぬれるとマンゴーが受粉しないため、手間ひまかけてビニールハウスで栽培しているからだった!

 甘くてみずみずしいマンゴーですが、実はマンゴーの花は想像もつかないくらい、強烈な腐敗臭がするのです。その臭さと言ったら、所さんもスタジオで悶絶するほど。しかし、一体なぜこんなに臭いにおいを発するのでしょうか?
 そもそもマンゴーが実をつけるためには、虫に花粉を運んでもらわなければいけません。実は、マンゴーの花が臭いのは、花粉を運んでもらうためのハエを寄せ付けるためだったのです。しかし、受粉の役割なら他の植物のようにミツバチなどでも良いはず。なぜハエに受粉してもらわないといけないのでしょう?
 マンゴーの原産地はインドからマレー半島にかけての熱帯地域。実は、ミツバチが活動するのに適した温度は25℃くらいまでで、それ以上暑くなると、ミツバチは花粉を運ぶことができないのです。一方、ハエは30℃でも活動できる昆虫のため、熱帯地域の暑い日中でも花粉を運ぶことができるのです。
 つまり、マンゴーは熱帯地域で生き残るため、ミツバチではなくハエを寄せ付ける腐敗臭を持つように進化したと考えられているのです。

所さんのポイント
ポイント2
マンゴーの花は、ハエに花粉を運んでもらうために腐敗臭がする!
これは、熱帯地域で生き残るための作戦だったのだ!


 マンゴーを沢山食べると、たまに皮でかぶれたりすることがあるらしいのです。それもそのはず、実はマンゴーは、かぶれることがあるウルシ科の植物だったのです。そこでウルシといえば、思い出すのは日本の伝統工芸の漆器。というわけで、なんと目がテン!ではマンゴーで漆器作りに挑戦しました。
マンゴー塗りの漆器  早速、マンゴーの皮約100個分の抽出液を作り、石川県輪島市の輪島漆芸技術研修所にマンゴー漆器の制作を依頼。本物の漆に比べ、ウルシオールという成分が少なかったため苦労したのですが、金属や陶磁器にウルシを塗る際に使われる焼き付けという手法で、ウルシ塗りならぬマンゴー塗りのおちょこが完成しました。そしてスタジオで披露したところ、所さんもマンゴー塗りのおちょこで飲むマンゴージュースは格別とご満悦でした。



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