知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


南米初上陸絶品 バナナ
第791回 2005年7月24日


 毎年恒例の「目がテン!」夏休み海外特集。今年は、初めて南米大陸に上陸し、エクアドルで色々なことを科学して来ました。エクアドルは日本よりひと回り小さな国で、スペイン語で赤道(el ecuador)を意味する言葉が語源となっており、文字通り、国の北部を赤道が通っている、赤道直下の国なのです。
 しかし、東部にはアマゾンのジャングルがあり、西は太平洋に面しているサバナ気候の海岸地帯があり、中央にはアンデス山脈の高山地帯がありと南米の中でもバラエティ豊かな自然を持った国なのです。
バナナ  第1弾のテーマはバナナ。実は、エクアドルはバナナの輸出量が世界一で、エクアドル人1人のバナナ年間消費量は780本にも及ぶバナナ王国なのです。そこで、実際に佐藤アナがエクアドルのバナナ農園で働きながら、バナナの秘密に迫りました。

 バナナ農園に生えているバナナの木の高さは、約5m〜7m。その真ん中から垂れ下がるようにバナナの実の束が出ています。  まずは、バナナの収穫を佐藤アナが手伝いました。しかし、まだ青いバナナを収穫しています。実は、輸出用のバナナは青いうちに収穫し、輸出先の国でエチレンという植物ホルモンをかけ、黄色く追熟させているのです。
 収穫したバナナの束を持ってみると、すごい重さ。思わず佐藤アナも倒れこんでしまいました。それもそのはず、1本のバナナの木になっているバナナの束を量ってみると、約43キロもあったのです。一体、1本のバナナの木には、いくつの実がなっているのでしょう?
 そこで目がテン恒例!数えてみようのコーナー。佐藤アナが炎天下の中、汗水流しながら、1本1本バナナ数えに挑戦しました。すると結果は、186本でした。
 ふと佐藤アナが切り倒されたバナナの幹を見てみると、なんだか断面が木らしくない模様をしていました。さらに、バナナの幹の皮をひっぱるとズルズルと簡単にむけてしまったのです。一体、どういうことでしょう。
 そこで、バナナの幹の皮を1枚1枚めくって分解してみると、実は幹の皮と葉はつながっていることがわかったのです。この葉とつながった幹の皮をはいでいくと、どんどん細くなっていき、最後に白い芯が残りました。実は、この白い芯は花茎と呼ばれる先端に花をつける茎で、それを周りの葉で包んで支えていたのです。
 この作りは、花茎の周りを葉が取り囲んでいるチューリップと似たつくり。そう、バナナは木ではなく大きな草だったのです。

所さんのポイント
ポイント1
バナナは中心の花茎を周りの葉が取り囲んでいる、大きな草だった!

 バナナ農園には、せっせと葉を運ぶハキリアリというアリがいました。このアリは、農園内の雑草を強力なあごで切り取って巣まで運んでいます。ということは、ハキリアリは葉をエサにしているのでしょうか?
ハキリアリ  そこでアリの巣を掘ってみると、緑の葉はなく巣全体が白っぽい色をしていました。実は、ハキリアリは運んできた葉をさらに細かくし、巣にくっつけて白いカビを繁殖させます。そして、このカビからアリタケというキノコを生え、アリはこれを食糧にしていたのです。つまり、ハキリアリは農業をするアリだったのです。このハキリアリは、農薬を使わないバナナ農園にとっては欠かせない存在で、農園内の雑草を巣まで運んで、アリタケを栽培し、このアリタケが葉から土に必要な養分を作るというサイクルを作っているのです。

所さんのポイント
ポイント2
ハキリアリは、葉でキノコを育てこれを食べる、いわば農業をするアリだった!

 バナナは果物の中でも栄養がバランス良く含まれている食材。成人男性が1日に必要な2000キロカロリーと栄養素は、バナナ18本と牛乳3杯でほとんどまかなえるのです。
 そこで体重99.8キロの矢野さんと体重が気になるスタッフ3人が2週間バナナと牛乳だけのダイエット生活に挑戦。すると、スタッフ3人の体重は平均で2.8キロ減少しました。その上、体脂肪率、中性脂肪、コレステロール値も全て減少していたのです。その理由は、バナナにはほとんど脂肪分が含まれておらず、体内の脂肪を燃焼させるビタミンB群が豊富に含まれているからと考えられます。
 ちなみに、バナナ以外にそばも少し食べてしまった矢野さんの体重は、4.3キロの減の95.4キロになりました(参考記録)。



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