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アンデス のコンドル!
第792回 2005年7月31日


 毎年恒例の夏休み海外特集。今年の舞台は南米エクアドル。第2弾のテーマはアンデス山脈。所さんの「アンデスの氷河の氷を取ってきなさい!」という指令のもと、矢野さんが登山に挑戦しました。
 登るのは、なんと目がテンの歴史の中で最高峰の標高5896mのコトパクシ山という山。このコトパクシ山は世界一高い活火山で、エクアドルの富士山と呼ばれるほど富士山に似た山なのです。

 矢野さんが登山の準備のためエクアドルの首都キトの町を歩いていると、なんと石を口にしている人がいたのです。一体、どういうことでしょう?スタジオで所さんもその石を口にしてみると、「しょっぱい!」とのこと。実はこの石は、アンデス山脈の標高3000m付近から採取される岩塩だったのです。
 実はアンデス山脈は約3億年前海底だったために岩塩が採れるのです。エクアドルの人々は海まで遠い高地に住んでいるので、必要な塩分をこの岩塩から得ているのです。

 さあ、いよいよコトパクシ登山開始。コトパクシ登山のスタート地点は、標高3630m。富士山9合目と同じくらいの高さです。そして、標高4700mの高さの山小屋で1泊。次の日に、標高5896mの頂上の氷河を目指す予定です。
 そもそも氷河とは一体何でしょう。実は、氷河とは万年雪が自分の重さで圧縮して固まり氷になったもののこと。また氷河は、自分の重さで年間数十cm〜数十m移動するという、文字通り氷の河なのです。
電線の上のティランジア  登山の途中、矢野さんが不思議な物を発見しました。なんと、電線の上で生きている植物がいたのです。これは、パイナップル科のティランジアという植物。タンポポの種子のような綿毛で風に運ばれて電線に付着し、その後、種の持っている栄養を使って発芽するのです。
 しかし、電線の上でどうやって、植物に不可欠な水分を取っているのでしょうか?実は、葉の気孔の周りにある毛状突起という部分が、空気中の微量な水分をキャッチして、水分を気孔に送る仕組みになっていたのです。ティランジアは、水分を乾燥している地面からではなく空気中から得るために、わざわざ電線などの高い場所に生息の場を移したのです。

 また登山の途中で、「コンドルは飛んでいく」という曲でもお馴染みの、アンデスコンドルを岩壁に発見。しかし、いくら観察してみても、コンドルはなかなか空に飛び立ちません。待つこと数時間。突然、あたりに強い風が吹き始めた瞬間、岩壁のコンドルは羽を広げ飛び立ったのです。大空を悠然と飛ぶコンドル。しかし、よく見てみると全く羽を羽ばたかせていないのです。一体、どういうことでしょう。
アンデスコンドル  実は、コンドルは上昇気流に羽を広げてのり、飛ぶのではなく浮いて滑空しているだけなのです。その理由は、なんと体重が重いから。アンデスコンドルは最大で15kgもある最大級の猛禽類。実は、鳥が羽ばたいて飛ぶことが出来る体重の限界は12kgなので、コンドルは体重が重すぎて上昇気流を使わないと飛べないのです。
 ちなみに有名な「コンドルは飛んでいく」という曲は、原題をスペイン語で「EL CONDOR PASA」と言うのですが、そもそも「PASA」という単語は「飛んでいく」ではなく「通り過ぎる」という意味だったのです。

所さんのポイント
ポイント1
コンドルは体重が重いので、羽ばたいて飛ぶことができず、上昇気流を利用して滑空しているのだ!

 1日めの登山を終え、標高4700mの高さの山小屋で1泊する矢野さんとスタッフ。ところが、次々に高山病がロケ隊を襲いだしたのです。実は、この地点の酸素濃度は11.8%で、約21%の海抜0m地点の約半分しかありません。このような標高の高い場所で起こる高山病とは、脳に酸素が十分行き届かないため、より酸素を脳に送ろうとして血管が拡張し、その際に血管が神経に接触して頭痛が引き起こされるのです。
 ついに矢野さんも高山病に襲われダウン。そこで代わりに、高山病にならなかったスタッフが矢野さんのお面をつけて登ることに。そして、頂上までは行けなかったものの、目がテン史上最高峰の5005mで氷河の氷をゲット
 その後、高山病から復活した矢野さんも合流したのですが、結局、矢野さんは所さんの指令を果たすことはできませんでした。

所さんのポイント
ポイント2
高山病に襲われながらも、目がテン!史上最高地点の5005m地点で、見事氷河の氷をゲットした!




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