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山梨で体験 ワイン 造り
第805回 2005年11月6日


 日本で続くワインブーム。今や、世界各地の色んなワインも簡単に手に入るようになりました。ちょうどこの時期、国内ではワインの仕込みも始まるのです。そこで今回は、お酒好きの佐藤アナが山梨でワイン造りを体験しつつ、ワインの謎に迫ります。

 ワインの原料といえば、もちろんブドウ。佐藤アナが山梨のブドウ畑を訪ねました。すると、そこで栽培されていたのはデザート用のブドウで、なんとワイン用のブドウはまた別の場所で作られているというのです。一体、デザート用のブドウとワイン用のブドウは、どう違うのでしょうか?
 そこで、ワイン用のブドウを取り寄せ、所さんがスタジオで試食することに。すると、「甘くて美味しい!」と大絶賛。実は、ワイン用のブドウはデザート用のブドウに比べて格段に甘かったのです。
ワイン用のブドウ  その証拠に、糖度計を使って両者の甘さを比べてみると、デザート用のブドウ「巨峰」は糖度17度だったのに対して、ワイン用のブドウ「メルロー」はなんと糖度22度。実は、ワインには、一般に糖度が20度以上のブドウを使うそうなのです。しかしワイン用のブドウは、デザート用のブドウに比べて、皮が厚く種子も大きいので、食用には適さないということでした。
 しかし、なぜワインには糖度の高いブドウを使うのでしょう?その秘密を探るべく、佐藤アナが白ワイン作りを見学することに。まずワイン作りの工場では、機械でブドウの軸を取り除き、残った果実からジュースを搾り出しています。試しに佐藤アナが、そのブドウジュースを飲んでみると、やっぱり甘かったのです。
アルコール発酵  そして、搾ったブドウジュースはタンクにためられ、そこでワイン酵母を加えます。すると、半日ほどでジュースの表面に白い泡が出てきました。実は、この泡は二酸化炭素。ワイン酵母がブドウジュースの糖分を分解して、アルコールと二酸化炭素を作り出しているのです。これをアルコール発酵と言います。
 実は、原料のブドウに糖分が少ないと、このアルコール発酵がうまく進まずに、アルコールの量が少なくなってしまいます。だからワインには、糖分の多いブドウを使用していたのです。
 そして、2週間ほどアルコール発酵が行われた後、半年から1年熟成させて白ワインが完成するのです。

所さんのポイント
ポイント1
ワイン用のブドウはとても甘い!
糖度が高くないと、ワイン作りの時に、アルコール発酵が起こりにくいからなのだ。


 では、その糖度の高いブドウは、どのようにして作られているのでしょう?そこで、ワイン用のブドウの産地を調べてみると、日本では山梨、長野、山形などでした。実はこれらの地域には、周りを山に囲まれた盆地であるという共通点があったのです。しかし、なぜ盆地だと糖度の高いブドウができるのでしょうか?
 そもそも、ブドウは日中に光合成をして葉に養分を蓄え、夜になるとその養分を使って、葉や茎を伸ばして成長します。しかし盆地では、夜になると放射冷却によって急激に気温が低くなり、寒さのために昼間に蓄えた養分がなかなか葉や茎に行き渡りません。すると葉に残った養分は、代わりに実に蓄えられて、実の糖度が上がるそうなのです。
 さらに、ワイン用のブドウは、盆地の中でも山の斜面で多く作られています。その理由は、斜面は雨が降っても水はけが良いので、余分な水分がブドウの実にたまらないからなのだそうです。つまり、余分な水分が実にたまらないので、成分が凝縮され糖度が上がるというわけなのです。

所さんのポイント
ポイント2
ワイン用のブドウは盆地の斜面で作られていた!
夜に寒くなる盆地の気候と斜面の水はけの良さが、実の甘さを高めるのだ。


 ワインには「アイスワイン」「貴腐ワイン」という、高級な甘口ワインがあります。それらのワインが甘い理由は、アイスワインは一旦凍らせることで、貴腐ワインは貴腐菌というカビを繁殖させることで、ブドウの水分を飛ばし、果汁を濃縮し甘くしているのです。
 そこで目がテン!では、果汁を濃縮させたら、甘いワインができるはずということで、ブドウを食品乾燥機で乾燥させてみました。すると、そのブドウの糖度は20度から34度にまで上昇したのです。
 そして、その乾燥させた甘い干しブドウで、目がテン特製「干しブドウワイン」を作ると、「このワイン、好きかも」と所さんも納得の結果となりました。



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