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所も回転! フィギュア
第814回 2006年1月15日


 もうすぐトリノ冬季五輪開幕!その中でも、特に注目なのがフィギュアスケート。なにしろ、今回の代表選手は世界でもトップレベル、メダル獲得が十分期待出来るのです!

 実はフィギュアスケートとスピードスケートでは、スケート靴が全く違うらしいのです。そこで、オリンピック代表選手の村主章枝さんの妹さんで、全日本選手権でも最高9位という村主千香さんに協力してもらい、スピードスケートの靴を履いて滑ってもらうことにしました。
 すると村主さんは、リンクに立った瞬間「怖い!」と叫んでしまったのです。なんと、スゴイ実力を持っている村主さんでも前に進むのがやっとで、片足で立ったり、左右に曲がったりすることなんて出来ないとのことでした。
 そこで今度は、スピードスケートの選手にフィギュアスケートの靴を履いてもらうと、こちらも普段の滑りからは信じられないほどのおぼつかない滑りになってしまい、転んだりして1周するのにいつもの2倍も時間がかかってしまいました。一体、なぜでしょう?
刃の厚さ比較  まず、フィギュアスケートとスピードスケートの靴は刃の厚さが違います。実は、スケートの刃は、スピードスケートの方がフィギュアスケートよりも断然薄いのです。だから、村主選手は、最初うまく立てなかったり、片足で滑れなかったりしたのです。
 またフィギュアスケートの刃は、真ん中がへこんでいて、両サイドがそれぞれ刃のようにとがっています。これを「エッジ」と言い、このおかげで左や右に滑らかに曲がれるようになるのです。
 さらに、フィギュアスケートのつま先には「トウピック」というギザギザがついています。これは、ジャンプの踏み切りや着地、スピンなどに使用します。
 いつも前傾姿勢をとっているスピードスケート選手は、このギザギザが引っかかって転んでしまったのです。

所さんのポイント
ポイント1
フィギュアスケートとスピードスケートの靴は全然違うものだった!
交換すると、両方の選手がうまく滑れないのだ!


 フィギュアスケートの見所の1つといえば華麗なるスピン。しかし、どうしてフィギュアスケート選手は、目が回らないのでしょう?そこで、目がテンでは1秒間に最大2回転する「回ってコラえて1号」を製作!村主さんに乗ってもらい、本当に目が回らないのかを実験することにしました。
 その前に、まずは佐藤アナが挑戦。1分間、回転マシーンに乗ると、案の定目が回ってしまいました。よく見てみると、目が回った佐藤アナの眼球がブルブル揺れていたのです。
 実は、これは「眼振」と呼ばれる現象。体が回転しだすと、耳の中の三半規管にある「クプラ」という平衡感覚を司る部分が傾きだします。すると、それにつられて眼球も横に動き出してしまうのですが、眼球自体は、元の場所に戻ろうとするので、眼球がブルブルと振動してしまうというわけなのです。

回転マシーンに乗っている所さん  スタジオでは所さんも1分間回転マシーンに挑戦!さすがの所さんも、見事ブルブル眼振してしまいました
 いよいよ村主さんが回転マシーンに挑戦。すると、1分たっても全然平気な様子で、ちゃんと周りの景色も見えているとのこと。結局、5分間回転しても、なんと全く眼振していなかったのです。
 実は、フィギュアスケート選手は日頃の訓練によって、三半規管のクプラが傾いても、脳から目の動きを止める指令が出て、眼振しないようになっているそうなのです。やはり、本当にフィギュアスケート選手は、目が回らなかったのです。
 しかし、そこで終わらないのが目がテン!実は、先ほどの回転マシーンの回転は左回りで、村主さんのいつものジャンプやスピンの向きと、同じ方向だったことが判明。そこで今度は、いつも回っている方向とは違う右回りで、村主さんに回転マシーンに乗ってもらったところ、なんと1分もたたないうちにギブアップ!村主さんも、普通の人と同じように眼振してしまったのです。

所さんのポイント
ポイント2
フィギュアスケート選手は、日頃の練習の成果で目が回らないようになっているが、いつもと違う向きに回転すると目を回してしまうのだ!




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