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所さん絶賛 究極の 牛乳
第824回 2006年3月26日


 前回に引き続き、今回も「牛乳」がテーマ。前回は、牧場での乳牛の育て方を中心に調査しました。今回は、その続きで、しぼられた牛乳が家庭に届くまでをご紹介します。

 1頭の乳牛は、1回の乳しぼりでどのくらいの牛乳を出すのでしょう?そこで、取材した牧場にいるウシのうち、牛乳を一番多く出すウシで計測してみると、1回で約30リットル、朝と夕方2回しぼるので、1日に約60リットルの牛乳を出していました。
矢野さん乳しぼり  やっと手にしたしぼりたての牛乳を矢野さんが飲もうとしたら、なんと「しぼりたての牛乳は飲んではいけない」と農家の人に止められてしまったのです。
 実は、牛乳をしぼるときには、必ずウシのお乳のまわりを消毒します。しかし、細心の注意を払っても、しぼるときに牛乳に雑菌が入ってしまう可能性があるのです。そこで、しぼった牛乳は私たちの家庭に運ばれる前に、牧場から専用タンクローリーで、工場へと運ばれ殺菌されています
 殺菌の方法は、最もポピュラーなのが“超高温殺菌”と呼ばれる130℃で2秒間の殺菌法。しかし最近では、“高温殺菌”と呼ばれる75℃で15秒間の殺菌法や、“低温殺菌”と呼ばれる62℃で30分間殺菌された牛乳も人気です。しかし、一体どんな違いがあるのでしょうか?
 一般的には、殺菌法の違いにより、風味が違うと言われています。例えば、超高温で殺菌すると、牛乳の中に硫黄化合物が生じ、コクのある濃い牛乳になります。一方、低温殺菌では、そういった加熱により生じる成分が少ないので、さっぱりとした味になるそうなのです。

所さんのポイント
ポイント1
しぼった後の牛乳は、家庭に届くまでに殺菌される。
最近では、色んな温度の殺菌法があるのだ!


 矢野さんが牧場でもらってきて、ちゃんと殺菌も済ませた牛乳を1日放置すると、なんと白い塊が浮いてきたのです。
 実はこれは、牛乳に含まれている“乳脂肪”という成分。よく牛乳パックに、3.7とか4.0とか書かれてある数字は、実は乳脂肪の割合を表しています。その乳脂肪がどんどん集まって、分離してしまったのがこの状態なのです。これをクリームラインと言って、実は生クリームのことなのです。
 しかし、家庭用の牛乳を放置しても、生クリームは出来ませんよね。実は、牛乳が家庭に届くときには、もう一つ加工されているのです。それが、ホモジナイズと呼ばれる工程。ホモジナイズとは、乳脂肪に圧力をかけ、乳脂肪を小さな粒子にすることで、牛乳から分離しにくくする工程なのです。ホモ牛乳とは、ホモジナイズした牛乳のことなのです。

 さらに、スタジオで佐藤アナが生クリームを使ってあるものを作るというのです。用意した物は、添加物の入ってない市販の純生クリームとフタつきのビン。両方とも、よく冷やしてあるそうです。そして、純生クリームを3分の1程度、フタつきのビンにいれ、手で振り始めました。なんと、これだけである乳製品ができるというのです。途中、ビンが温まったので氷を入れ、黙々と振り続けること8分、なんと手作りバターが完成。所さんにも「うまい!」と大好評でした。
手作りバター  実は、生クリームを激しく振ると、乳脂肪を包んでいるタンパク質の膜が破れ、脂肪同士がどんどん固まっていきます。そのため、生クリームからバターが出来るというわけだったのです。

 他にも、このように牛乳に含まれている成分をうまくいかして作られる料理があります。
 例えば、温めた牛乳に酢をまぜると、段々全体が固まりだし、カッテージチーズができます。これは、牛乳に含まれる“カゼイン”というタンパク質が、酸性になったので固まったものなのです。
 また、牛乳に乳酸菌を入れると、ヨーグルトができます。これは、牛乳の中に含まれる“乳糖”を乳酸菌が分解し乳酸という酸をつくりだすので、全体が酸性になり、カゼインが固まるのです。

所さんのポイント
ポイント2
牛乳の水分を除いた主な成分は、“乳脂肪”“乳タンパク質”“乳糖”。
これらから様々な乳製品が出来るのだ!





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