知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


早実のマル秘兵器は 酸素
第846回 2006年9月3日


 最近、巷では酸素が大ブーム!コンビニでは、酸素入り商品が所狭しと並び、街では酸素を吸ってリラックスできる酸素バーなるお店まで登場しています。
 そして今、一番話題なのが、高校野球で優勝した早稲田実業の選手が酸素で疲労回復に努めていたこと。連日、テレビや新聞などで取り上げられていますよね。でも、いったい酸素ってどんな力を持っているんでしょうか?
 そこで、今回の目がテンは、身近にあるのに意外と知らない酸素の正体に迫りました。

 そもそも空気には、酸素が約21%含まれています。そして、所さんが吐いた息の中には、まだ約17%の酸素が残っていました。つまり、実は、人間の身体に取りこまれる酸素は、吸った空気のうちのほんのわずかな量なのです。ならば酸素は、もっと少なくても大丈夫なのではないでしょうか?
 そこで恒例、体をはった目がテン実験。なんと番組ディレクターが、酸素が徐々に薄くなる部屋で生活することに。果たして、どのような変化が起こるのでしょうか?
 実験が行われる部屋では、1時間ごとに酸素が2%薄くなる仕組みです。これは、標高が1000mずつ高くなっていくことと同じことなのだそうです。部屋の酸素濃度が16%台になったとき、ちょうど富士山の五合目にいる状態のとき、番組ディレクターは、大きなあくびをし始めました。すると、医者が危険な状態だと言うので部屋に入ってみると、なんとディレクターは頭痛がしているというのです。さらに、血中の酸素濃度を測ってみると90%を切っていて、酸素が足りていない状態でした。しかし酸素が足りていないと、なぜ頭が痛くなるのでしょう?
 実は、身体の中で一番多く酸素が必要なのがです。そして、血液の中にあって、酸素を運ぶ役目なのがヘモグロビンと呼ばれるもの。通常、酸素はこのヘモグロビンと結びついて、血管を通り、脳に運ばれます。
 ところが、酸素が薄くなるとヘモグロビンは酸素となかなか結びつくことが出来ずに、酸素を持たないヘモグロビンばかりが血管を流れることになります。すると脳は、もっと多くのヘモグロビンを集めて酸素を得ようとするので、血管を広げようとするのです。その時、血管が近くの神経に触れてしまい、頭痛が起こるというわけだったのです。
 つまり、酸素が少なくなると、身体に取り込まれる酸素も少なくなり、頭痛が起こって生活できなくなってしまうのです。

所さんのポイント
ポイント1
呼吸では、少量の酸素しか体内に取り込んでいなかった。
しかし、酸素が薄くなると頭痛が起こり、生活できなくなってしまうのだ。


 最近、街でよく見かける酸素関連のお店。酸素バーや酸素セラピーなるものが若い女性を中心に大人気なのだそうです。
酸素カプセルに入っている所さん  そこで今回、所さんがあの早実の斎藤投手も愛用している「酸素カプセル」を実際にスタジオで体験しました。このカプセルは、中の気圧を1.3気圧に上げることで、身体に取り込まれる酸素の量を物理的に増やしているそうなのです。
 いざ、酸素カプセルを体験した所さんの感想は、「この空間が良いね〜」と、なんだか楽しそうでした。

 錆びにくい鉄“ステンレス”。実は、ステンレスを作るときにも酸素が役にたっているそうなのです。
 ステンレスを作るときには、鉄にクロムという金属を混ぜます。すると、クロムは酸素と結びつき、表面にうすい「錆び」を作ります。この薄い錆びの膜を「酸化皮膜」と言います。
ステンレスの断面図  実は、この「錆び」がコーティングとなって、これ以上、新たに錆びが出来にくくなるのです。つまり、ステンレスは「錆び」をもって、「錆び」を制していたのです。
 ちなみに、ステンレスを覆っている、この「酸化皮膜」をとってしまうとどうなるのか実験してみました。
 身近なステンレス包丁に傷をつけ、塩水をふきかけると、2週間後には傷のついたところから錆びていました。つまり、錆びにくいステンレスも傷ついて表面がはげると錆びてくるのです。

所さんのポイント
ポイント2
錆びにくい鉄「ステンレス」は、表面を薄く錆びさせることによって、これ以上錆びないようにしていたのだ!




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