史上初!?(秘)
豚
乳チーズ
第975回 2009年3月8日
最近街には豚肉専門店が溢れるほど、
ブタ
が大ブーム!事実、日本人は牛肉や鶏肉よりも、豚肉を多く食べているのです。今回はそんなブタの秘密に迫ります!
10万頭ものブタを飼育している鹿児島の養豚場を訪ねた矢野さん。しかし、ブタに会う前には、撮影機材を殺菌し、お風呂に入り洋服も着替えるほどの厳重さ。こうして外からの病原菌の侵入を徹底的に予防しているのです。そしてようやく対面したブタは、謎の液体を食べていました。その正体は、焼酎カス。今までは栄養分が少ないため廃棄されていましたが、輸入飼料が高騰したため飼料に混ぜてブタに与えているのです。その他にも、野菜クズやパンの耳など、人間が廃棄していた様々なモノをブタに与えているんです。これを
エコフィード
と呼び、ほとんどがブタ用のエサとなっています。でもブタってどんなモノでも食べるのでしょうか?そこで塩味の「ナスの漬物」、苦味の「ゴーヤ」、酸味の「梅干し」、辛味の「カレー」、甘味の「ショートケーキ」と味覚の異なる食べ物を与えてみることに。すると、全てをあっさり平らげ、さらにはツーンとくる「ワサビ」も食べてしまいました。
ブタはどんな味のモノでも食べ、人間が廃棄した食べ物も食べてくれる便利なエコ家畜なのです。
さて、ブタが栄養分の少ないエサを食べているのに、ちゃんと育つ秘密は腸の長さに関係があるといいます。そこで
ブタ一頭分の腸の長さを測定してみると、小腸と大腸を合わせてなんと29.5m
。なんと人間の3倍以上もの長さ!そこでブタが消化できない、生の玄米を通常のエサに混ぜ食べさせ、フンとして出てくるまでの時間を観察してみました。すると21時間後、2回目のフンの中に玄米を発見。人間とあまり変わらないのかと思いきや、観察し続けること5日目、
98時間たったフンにもまだ玄米が残っていたのです!
つまりブタは長い時間をかけて消化することで、栄養価の低いエサからも効率よく栄養をとりいれることができるのです。
ところで、数ある乳製品は牛乳ばかりで、
どうしてブタのお乳は利用されていないのでしょうか?
その秘密を探るため、矢野さんが意を決してブタの乳頭に直接パクリ…するとその味は牛乳に近く、コクもあり美味しかったそうです。ならば、目がテン特製ブタチーズを作ってみよう!ということで200ccのブタのお乳で、カッテージチーズと同じ製法で作ってみました。スタジオで前代未聞の
豚乳チーズを試食した所さんは、甘くて美味しいとその味を大絶賛でした。
では、美味しいブタの乳はなぜ利用されていないのでしょうか?そこで、ブタの授乳の様子を観察してみると、なんとブタは1日におよそ25回も乳を与えていたのです。実は、
牛には乳を溜めることのできる乳槽と呼ばれるタンクがあるため大量の乳を出せるのですが、ブタは乳槽が発達していないため乳を溜めておくことが出来ないのです。
1回の授乳で乳を出す乳牛がおよそ4Pなのに対しブタはおよそ0.2Pしか出ません。つまり量が少ないので商品化しづらかったのです。
ブタのお乳は美味しいが、一度に少ししか出ないので商品化しづらいのだ!
さて、街行く人たちに持っている革製品を見せてもらうと、ブタの革製品を持っているという人は一人もいませんでした。そこで、豚革は何に使われているのか専門家に聞いてみると、何と
日本人なら必ず豚革の製品を持っていて、その事実を知らないだけだというのです!
いったいどこに使われているというのでしょうか?すると、なんと
矢野さんが履いていた革靴の内側が豚革だったのです。
その表面をよく見ると豚革の特徴だという三角形に並んだ毛穴があります。豚革は
その他にも財布の内側や、牛革ランドセルの内側にも使用されていました。
実は、ブタの革は摩擦に強いから内側に使われているのだそうです。そこで、公園の滑り台を使って実験してみました。ソリの裏側にブタ革と牛革を貼り付け、同じ体重の子供2人に革が破れるまで滑り降りてもらい、1本滑るごとにその状態をチェックします。すると、実験開始から滑り続けること3時間、157本目でついに牛革が破れたのです。一方豚革はまだ破れていませんでした。実際に耐磨耗実験で比較してもブタの革は牛革の倍以上も耐えることができたのです。それぞれの革の断面を見てみると豚革の繊維の方が、牛革より密度が高いのがわかりました。
つまり、
ブタの革は耐磨耗性に優れているため、こすれて傷みやすい内側に多く使用されているのです。
そして、番組ではそんな豚革を使って、ある製品を作っちゃいました!目がテン特製!ブタ革スタジアムジャンパー略してブタジャン!早速所さんに着てもらうと、牛革のジャンパーよりも軽くて着やすいと感動!さらに豚革は、牛革に比べ、通気性や曲げ伸ばしにも圧倒的に強く優れているのです。これだけ優れた豚革ですが、やはりブタということでイメージが悪く、高級感もないため、あまり売れないので流通していなのだそうです。
ブタの革は、摩擦に強いので革ベルトや革靴の裏に利用されていた!日本人は誰でも身につけているのだ!