帰省
渋滞
(秘)最速脱出法
第983回 2009年5月2日
ゴールデンウイークの帰省や遠くへのお出かけに大活躍する
高速道路
が、料金改定で値下げされお得になりました。そこで今回は、高速道路の様々な問題点を科学で解決します。
高速を走っているとついウトウトしてしまうことがありますよね。では本当に高速道路で眠気は起きるのでしょうか?そこで、高速道路を使った家族のドライブに密着。前日しっかり眠ってもらったお父さんに脳波計を装着し、高速道路を運転している時の脳の状態を調べます。午前10時、実験スタート。元気いっぱいに運転するお父さん。
しかし15分後に助手席のお母さんが寝始め、25分後に子供たちもダウン。すると、お父さんの脳波に、眠気を示すシータ波が出始めたのです。
一体、なぜ家族全員が眠たくなってしまったのでしょう?実は、一般道では、信号機やカーブなど状況が目まぐるしく変化するので緊張状態が続くのに対し、高速道路は防音壁で景色は遮られたうえ、平坦でまっすぐな道が続きます。このような
脳に刺激のない状況が続くと眠たくなってしまうことがあるのです。
そこで、お父さんに刺激を与えるため、今度は家族に積極的におしゃべりしてもらいます。しかし、子供達は唄い、助手席のお母さんも話しかけ続けたにもかかわらず、30分後、お父さんの脳波にシータ波が出てきたのです。専門家によると、なんと家族との会話では刺激が足らないのだといいます。ならばと、家族全員が初対面のインド人の方に助手席へ同乗してもらいました。すると、車内の会話はイマイチかみ合わず、いつしか全員黙り込んでしまいました。しかし、全く会話がない状況でも、心の中は緊張しているため、お父さんからシータ波はほとんど出なかったのです。
高速道路の眠気覚ましには家族の会話よりも、見ず知らずの他人による刺激が効果的だったのです!
しかしこの状況を作るのはなかなか難しいですよね。この他には、
あえて嫌いな音楽を聴いたり、苦手な食べ物を食べたりして、脳に刺激を与えることが、眠気解消に効果があるのだそうです。
高速道路で眠くならないためには、他人としゃべったり、嫌いな音楽を聴いたりして、脳に刺激を与え続けるといいのだ!
さて、高速道路の問題といえば渋滞。ひどい渋滞にはまってしまった時は一体どうやって抜け出せばいいのでしょう?そこで実験!東名高速の渋滞区間のみ約5.5kmを、3台の車が車線変更無しでそれぞれ左、中央、右車線のみを走行しゴールを目指します。ちなみに実験当日は大渋滞!その結果…
ゴール地点を1番に通過したのは左車線の車。
2位は2分20秒後に中央車線で、3位は遅れることさらに1分、矢野さんが運転した右車線でした。なぜ出口も合流も無い右車線が一番ビリだったのでしょう?
その理由を専門家に尋ねると、
多くのドライバーが左は混むと思い、右へ避けるため、結果的に左が一番空くのだそうです。
実際に渋滞時の道路占有率の平均も、右車線が40%、中央が35%、左車線は25%なのです。
では、もっと早く渋滞から抜け出すには、空いている車線を選びながら進めばいいのでは?ということで、
空いている車線にどんどん車線変更して行く方法と、左車線のみを走る方法のどちらが速いのか実験してみました。
プロのドライバーには空いている車線を移動しながら走ってもらい、矢野さんは左車線をまっすぐ走ります。すると、プロは巧みに車線変更を繰り返し進んでいきましたが、右車線の渋滞にはまってしまい、結果、1分50秒もの大差をつけ、
左車線をまっすぐ走っただけの矢野さんの勝利!
渋滞時は焦って他の車線に移動するよりも、左車線をそのまま走った方が早いようです。
渋滞時は、空いている車線を選んで移動するよりも、左車線をまっすぐ走りつづけるほうが速く進むのだ!
ところで、
高速道路では、年間1000件もの逆走事故が起こっています。
中でも最も頻繁に起こっている場所はインターチェンジの合流部。
インターチェンジは回転するため、いつの間にか方向感覚を失ってしまうことが逆走の原因と考えられています。
でも、まさか自分が逆走してしまうことなんてないと思いますよね。そこで、自動車教習所の生徒さんたちに協力していただき、確かめてみました。
2本の紐を背にした状態で腰掛けてもらい、
東京方面は右、名古屋方面は左、と方角を教え東京方面の紐を切るよう指示した後、ぐるっと椅子を180度回転させ、東京方面と教えられた紐を切ってもらいます。
もし間違えて名古屋方面の紐を切ればタライが落ちてくるという仕掛け。本当に間違える人はいるのでしょうか?すると、
15人中2人の方が間違えて名古屋方面の紐を切ってしまったのです
。普通ならばとても間違いそうにはありませんが、長時間運転しての疲れや、夜で他に車がいないというような条件が重なると、判断力が鈍り、逆走してしまうことがあるようです。注意が必要ですね。